著者 ひろゆき
発行所 大和書房
発行年月日 2018.04.25
価格(税別) 1,300円
● 著者は日本の先行きについては悲観的。検索エンジンだって日本から出ても不思議はなかった。ドローンも然り。が,日本は“わからない”という理由で規制してしまう。新しいものを寄ってたかって潰してしまう。足を引っぱる。
その結果,これらの分野で大きく立ち遅れてしまった。
● しかし,国は国として,個人が幸福に生きていくには何をどうすればいいのか。贅沢するのではなく,緩く生きられればいいじゃないかという観点からの切り口。
● 以下に転載。
スキルはコモディティ化するものです。どういうことかというと,人が身につけたことは,マニュアル化され,誰でも再現可能になり,価値が下がるということです。(中略)まして,今は人工知能(AI)の技術が成長していますから,これまでは食いっぱぐれのなかった医者や弁護士でも,国家資格を持っているだけでは,これからの時代,つらくなってきます。資格(スキル)プラスアルファが求められるのです。(p5)
僕は,個人の「能力」というのは,かなり怪しいものだと思っています。(中略)世界史を学ぶと,世界で覇者になる民族がいくつか現れますが,それは彼らが優れた能力を持っていたからではなく,地政学的に有利な場所にいたことが要因として大きいのです。つまり,「たまたま,そこにいたから勝てた」のです。(p6)
2007年以降,アメリカやイギリスで,10代の子が,「核分裂」をさせることに成功しました。(中略)10代の子でも,情報や材料を集めてガレージで核分裂炉を作れたというわけです。(中略)知識が独占されていない今の時代,個人が勉強しえ調べれば,「核」まで作れるわけです。ようは何でもできる時代に突入したといえるでしょう。(p31)
全員が同じように頑張るのではなく,一部の頑張りたい人が勝手にどんどん頑張っている状態が最も理想的だと思います。(中略)今の日本は,働きたくない人までもが生活のために働かされて,そのせいで一部の金持ちに嫉妬してしまうという構造になってしまっています。(p38)
「悪評も評判のうち」ということもあって,知名度が上がってくれることも,もちろんメリットなのですが,それとは別に,バッシングをされると,「他社が参入してこない」といおうメリットもあります。クレームや悪評に耐えられる人は,僕が知る限り,そこまで多くないので,あえてそこに参入してくる人は少ないのです。(p49)
人間って,何かをやり始めることは苦手ですが,一度やってしまえば継続するようにできています。一度始めたことは,今度はやめてしまうことのほうが難しくなってしまうのです。(p56)
「なんでもやります!」という姿勢でいると,どんどん利用し尽くされてしまいます。企業にとって,こういった精神の人材ほど,オイシイものはありません。なぜなら,社員にやらなければならないことを押し付けて,それができないのは個人の努力のせいにできるからです。(p58)
文章でも,ブログやツイッターで書きたいことを書いて,もし,「間違えていますよ」と指摘があれば,そこで訂正をすればいい。世の中に出す前に細かいところまで予測して議論してもムダだと思うんですよね。(p62)
人に声をかけるのが苦手な人って多いですよね。でも,それと同時に「声をかけられることにも弱い」ということが言えます。(中略)そういう考え方をしていると悪い人やブラック企業に付け込まれるので,早めに脱したほうがトクだと思いますよ。(p67)
いちばん幸せなのは,無名な金持ちだと思います。日本はテレビの影響が強いので,有名税が海外と比べて高く付きがちです。(p85)
海外旅行が好きなのも,そこで何者でもない状態になれるからです。誰にも認められない状況で,それでも何とか生きていく術を見つけていく作業が,ゲームのようで面白いからです。(p92)
言葉が通じなくても,僕は終始,「ニコニコする」ことにしています。(中略)日本以上に礼儀を大切にする国は意外と多くて,(中略)人って,接点を持ったときに笑顔で挨拶をしておかないと,違和感が残ったままなんですよね。(p94)
たとえば,ホームレス対策においてぢ味なのは,「場所を移動させること」ではなく,「社会復帰させること」です。(中略)どうも日本の政策では,「移動させるだけ」という解決方法が多いです。(p103)
一部の個別犯を制限するために,すべてを禁止してしまうというのは,全体の幸福度を下げてしまう(p162)
法律以外で面倒なことが起こるのが,日本の悪い部分だと思うんですよね。(p166)
バラエティ番組やワイドショーは,基本的に頭が悪い人向けのものが多いです。頭の悪い人向けの番組を作って,頭の悪い人がCMを見て,モノを買わせるという効率のいいシステムになっています。ワイドショーという大衆文化こそ,「足を引っ張る」「人を叩く」の元凶です。(p179)
それぞれのカジノに大きな違いがあるのではなく,単純に「中国人がどこにお金を落とそうとしているか」というのが重要で,遠くのアメリカに行くよりは,マカオのほうが近場だという立地的な理由が大きいのです。そうすると,中国がマカオを持っている以上,日本にカジノを作っても,わざわざ来るメリットがありません。(p207)
世界中には,アラブの石油王のように,ケタ外れのお金持ちがいます。彼らにお金を落としてもらうのが,外貨を稼ぐ一番の近道なのですが,彼らは,安いホテルには泊まりたくないと思っています。だいたい,1泊100万円以上でなければ,ちゃんとしたホテルだと認めていないのですが,東京でそれくらいのクラスのホテルは,ほとんど見当たりません。(p211)
「あれば便利だけど,なくてもいいよね」というレベルの産業が,どんどん減っていき,ちゃんと外貨を稼げる仕事だけが残ることになるでしょう。(p215)

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