2020年8月15日土曜日

2020.08.15 ひろゆき 『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』

書名 僕が2ちゃんねるを捨てた理由
著者 ひろゆき
発行所 扶桑社新書
発行年月日 2009.06.01
価格(税別) 740円

● 著者も言っていることだが,タイトルは内容を表していない。11年前の発行でネット事情を扱っているとなると,内容が古くなっていると思うかもしれない。が,いくつかのディテールはそうであっても,骨格の古さは感じない。著者は主に事象に対する自分の見方を語っているからだ。

● 以下に多すぎる転載。
 日本という国は,同じ土壌やエリアの中にいると,外から客観的に見て明らかにおかしな状況が起こっているのに,客観的に「おかしい」と言えなくなる空気になりやすいのですね。(p21)
 日本だけが先に進みすぎ世界のマーケットがi-modeについてこられなかったという話なのです。(p41)
 大手であろうと小さなところであろうと,やっていることはそんなに変わらない。にもかかわらず給料格差があるというのは,何かしらおかしなことをやっているからこそ,他社より高い給料が払えるわけです。(p83)
 ネット企業というのは,何も六本木ヒルズやミッドタウンにオフィスを構える必要はありません。(p84)
 言語別で見た場合,今ネット上で一番多いコンテンツというのは,ブログなどすべてを含めると日本語のコンテンツです。それは,日本語で作られたサイトにおける広告単価が世界で一番高いからなのです。(p92)
 同じ情報を与えられて論理的に導いた結果というのは,僕でなくても誰でも同じことだと考えているわけです。しかし,ほかの人がやってくれないので,ぼくが書いているだけ。(p102)
 2009年1月8日,韓国でミネルバというハンドルネームの人が逮捕されました。彼は,韓国では“ネットの経済大統領”と呼ばれるほどの論客で,(中略)ウォンが下落するなどの経済予測を書き,その多くを的中させていました。(中略)ミネルバさんが捕まる前,「ミネルバは,もともとどこかの投資銀行にいた人物で,経済に詳しい人ではないか?」と韓国では言われていたのですが,蓋を開けてみると単なるニートだったのです。(中略)ニートという状況で一生懸命に調べものをして論理的に考えた結論を経済分野で発言している。そして,その結論のとおりに実際経済が動いた。それだけなのです。(p104)
 熱くないおでんを熱いふりをして食べてみせたり,熱くないお湯に熱いふりをして入ってみせたりするのは,エンターテインメントとしては問題ないのと同じこと。結局のところ「おもしろければいい」と,視聴者が思えるかどうかにあると思うのです。(中略)それ以前に,メディアに出ている情報だからと,すべてを信じてしまうことのほうが問題です。(p121)
 こういったウソの情報を確信犯的にメディアが出してしまうのは,ネタがないということもあるのでしょうけど,もっと大きいのは「今の形態だと努力が報われない」ということがあるのではないでしょうか。(p124)
 やらせは昔から存在しているわけですし,これは構造上,仕方がないのではないかと考えています。なせなら,テレビを観る人にバカな人の割合が多いことが原因なのではないかと思うからです。(p128)
 天下の新聞社が「首相が何か言い間違えましたから馬鹿です」とか,「お酒を飲んで会見に出てはいけません」といった,一般市民でも判断ができるような情報をひたすら流していては,その存在に意味がありません。マスコミの情報というのは,組織だって油剤をし,そこに一般市民が思いつかないぐらいの見解が入っていたり,一般市民が知り得ることのない情報が入っているからこそ,初めてお金を払ってもいいだけの価値のある記事になるわけです。(p134)
 ロシアや中国の企業というのは,自国民だけを相手にしているだけでは食べていけないので,世界で製品を売らないといけない。だから(中略)世界で売れるような製品や技術を作る方向に動いています。それに比べて,多くの日本の企業というのは,国内向けを中心に考えるので,携帯電あの例を見てもわかるように,世界のマーケットで太刀打ちできなくなってしまったわけです。(p145)
 そういった世界にモノを売る手段として便利なのが,実はネットなのです。(p147)
 投票っていう多数決のシステムが一番つまんないと思うんだよね。(中略)999対1の999ばかりを採用してしまうと,ずっと変わらない。テレビとかいろいろなものが変わらないのは,それが理由。(土屋敏男 p183)
 本質ってのは,やっぱり作り手の執着心,狂気だったりするんですよ。(土屋敏男 p184)
 映画の全盛期にテレビが始まったとき,いきなり100万人が視聴したわけではなくて,ごく少数のお金持ちが観ることから広がっていった。それと同じように,ネットコンテンツの視聴者数が増えて,いつか100万人になるという感覚を,テレビ局が持てるかどうかだと思うんですよね。(p190)
 でもね,厳然たる事実として誰にも文句を言われないおもしろいものなんて,ないよ。(土屋敏男 p200)
 昔からある,「飲む,打つ,買う」が今でも残っているように,人がおもしろいと思うことなんて変わってなくて,その本質をいかに隠蔽して新鮮に感じさせるかですから。(p221)
 日本って,同調圧力があるから紙一重の人が生きていくのが難しい国なんです。(p234)

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