書名 消える本,残る本
著者 永江 朗
発行所 編書房
発行年月日 2001.02.10
価格(税別) 1,600円
● 10年以上前の本だけれども,古さは感じない(が,そのことを念頭において読んだ方がいいと思う)。著者の書評(「ベストセラーを解読する」)と「個性派書店」のルポがメイン。間に,著者自身の仕事について語ったインタビュー記事などを挟んでいる。
● 書評で取りあげているのは,1997~98年に出版され,ベストセラーになったもの。そのどれもが面白い。
以前,著者の『いまどきの新書』を読んで腹を立てたことがある。ひとつには著者に与えられたスペースの違いに由来するかもしれない。短いスペースで意を尽くすことは,名人にとっても難しいのだろう。
● じつは,永江さんが書評で取りあげている本の中で,唯一ぼくが読んでいたのが,リチャード・カールソン『小さなことにくよくよするな!』だったりするんですよねぇ。恥ずかしいんですけどね。面白かったかと問われれば,つまらなかったと答えられるところがギリギリ救いってところかなぁ。
ぼく,この種の本をけっこう買いこんでて,まだ読んでないのが溜まっている。せっかくだから読んでやろうと思ってるんだけれども,時間の無駄かなぁ。
この本(リチャード・カールソン『小さなことにくよくよするな!』)が言っているのは,現実に逆らうな,すべてを受け入れよ,じっと耐え忍び,苦痛も快楽と思えということだが,ようするにこれは,奴隷は主人の批判などせずに奴隷であることに満足せよ,というのと同じである。(中略) 日本の出版産業がこういうクズ本によって支えられているのも現実である。トホホ。(p56)
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