著者 竹内 薫
発行所 光文社新書
発行年月日 2006.02.20
価格(税別) 700円
● 副題は「思いこみで判断しないための考え方」。この本も読みものとして面白い。楽しく消費できた。これが一番のポイントだ。あまり深く考えたことはないんだけど,本なんて面白けりゃいいのだ。
● 科学哲学者のポパーの話が出てくる。昔,学生時代に彼の著作をいくつか買ったが,結局読むことなく現在に至っている。
反証可能性という言葉だけは,ずっと記憶に残っているけど。
● 以下に,ぼくのアンテナにひっかかったところを転載。
この人(ピエール・デュエム)は,こういうことをいうんです。「データが仮説をくつがえすわけではない。データが理論を変えるということはない」と。 彼は,「理論を倒すことができるのは理論だけである」と主張しました。理論というのは,仮説といってもいいと思います。 だから,「仮説を倒すことができるのは仮説だけである」ということです。(中略) つまり,こういうことです。 仮説というのはひとつの枠組みですから,その枠組みからはずれたデータはデータとして機能しないわけです。(p70)
世界の見え方自体が,あなたの頭のなかにある仮説によって決まっているわけなのです。(中略) 「裸の事実」などないのです。 ということは,データを集める場合も,やっぱりその仮説-最初に決めた枠組みがあって,その枠組みのなかでデータを解釈するわけです。 つまり,「はじめに仮説ありき」ということです。(p74)
ひとりの人間をひとつの人格だけで説明することができないように,ひとつの現象をひとつの仮説だけでかたづけることなんてできないんです。(p186)
いろんな場面で,「この仮説をはずしてみても大丈夫かな?」と考えるのは,生きていくうえで非常にためになる考え方です。 だれもがその仮説のことをあたりまえだと思っているけれど,意外とはずしてみてもOKなことってあるんですよね。 そして,それに気づくことができる人は,やはり天才と呼ばれます。(p198)
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