著者 下野康史
発行所 講談社文庫
発行年月日 2016.01.15
価格(税別) 630円
● 『ロードバイク熱中生活』に大幅に加筆し改題,とある。その『ロードバイク熱中生活』も読んでいるんだけども,大幅に加筆しているなら,これも読んでみなきゃな,と。
解説を永江朗さんが書いている。
● 下野さんの本業は自動車評論家だ。なのに,「ポルシェより,フェラーリより,ロードバイク」なのだ。
わが家の近く(といっても10数㎞は離れている)にホンダの工場や研究施設があるのだが,自転車で通勤する社員が多いらしい。以前,宇都宮の自転車店の店長に聞いた話だ。
● 以下にいくつか転載。
イトイガワのルートは,砂漠でもジャングルでもない,普通の道である。でも,そこを自転車で一気に300km走ろうとすると,途端にアドベンチャーになる。距離の冒険。それがおもしろいと思った。(p38)
クルマと伍して走るには,一瞬だってボーっとしていられない。なぜなら,クルマの多くはボーっとしているから。(p74)
車道を走るのがうまい自転車乗りといえば,バイクメッセンジャーのライダーだろう。ドライバーのなかには悪く言う人もいるが,ぼくはいつも車内から感心して見ている。彼らの走りにヒヤっとさせられたことはないし,邪魔だと思ったこともない。うまい証拠なのだと思う。(p74)
難読地名は秘境の証である。なぜなら,観光地化を目指すと,日本は地名を平易にしたり,ときにはオシャレに変えたりするからだ。南アルプス市なんていうのがいい例である。(p99)
タイムアタックでもない限り,坂と戦おうなんて思っちゃいけない。むしろ,坂にバレないように,軽いギアでコソコソ上る感じがよろしい。(p133)
自転車のスピードと安全性は車輪の大きさに比例する。タイヤが大きければ大きいほど速いし,安全になる。ツール・ド・フランスに小径車で出る人はいない。(p184)
ぼくの足だと平坦路で24km/h以上をキープするのは無理だが,20km/hくらいでなら巡航できる。(p187)
重力落下というエンジンが忽然と出現する下り坂では,サルでもスピードが出せる。その状況で,安全にハイスピードが出せるかどうか,今度は自転車次第である。つまりだれが乗っても,イイ自転車というのは,下りでイイのだ。(p200)
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