書名 60歳からの後悔しない生き方
著者 櫻井秀勲
発行所 きずな出版
発行年月日 2019.07.01
価格(税別) 1,500円
まだまだこれからどう転ぶかわからない。それを不安に思うのではなく楽しむつもりで行け。という内容。
● 以下に多すぎる転載。
「焦る必要はありません」というのが,この本で私があなたに伝えたいメッセージです。私は今年88歳になりましたが,自分の「60歳」の事をふり返ってみると,その年令に焦ってしまったことを思い出します。(p3)
自分は恵まれていない」「いいことなんて起きない」と思っているうちは,実際,いいことに恵まれることは絶対ありません。運に恵まれる人は,自分は運がいいと自信を持っているものです。(p25)
自分の顔をよく見てください。まだまだ若さが残っていると思いませんか? いや,これからゆったりとした,自信のある顔になるでしょう。年を重ねることは楽しいことです。楽しいから若いので。88歳になった私がそういうのですから,間違いありません。(p27)
いまの時代,たとえ女性であっても慎んでいては生きていけないというのが,私の持論です。「私なんて!」という言葉は,あなたのなかからなくさなければなりません。(p34)
60歳からの人生をどう生きていくのか-それを考えるためには,まず,いまの人生を全面的に受け入れましょう。「何もなかった」とするのではなく,いいことも残念だったことも思い出して認めることです。(p36)
人は,自分以外の人に対しては,その人のいいところしか見えない,いや見ないものです。(中略)傍からは恵まれているように見えても,その人にはその人なりに,悩みや挫折があるものです。羽振りのいい(ように見える)社長が,じつは何十億の負債を抱えている,ということもあるのです。だから,誰かをうらやましく思う必要はありません。私はマスコミに長くいたので,そういう人たちを大勢見てきました。(p37)
さらに上の地点に行くためには,その前に落ち込む時期があるということです。(中略)88年という歳月を経て見ると,人生の波が上がったり下がったりすることに,振りまわされるな! というのが実感です。(中略)人と比べたりせず,自分にフォーカスするのが,60歳からの生き方です。(p40)
60歳は第2の人生のスタートです。つまり,まだ始まったばかりですから,ヨチヨチ歩きでもいいのです。やりたいことが見つからないなら,これから見つけていきましょう。急ぐことはありません。(中略)これまでしてきたことを,やめる必要もありません。(p44)
これからの10年,20年をかけて,「自分」と「自分の技術」を磨いていくことです。そのためには,まずは,これまでにしたことがないことを1つ,始めてみましょう。私はそれを「異」という言葉で表しています。これまでの人生と異なる人や趣味,仕事,勉強などを取り入れるのです。やってみて,合わないな,違うなと思ったら,また別のことにチャレンジすればいいのです。(p47)
私はよく「運は借りられる」ということをいうのですが,自分に運がないと思う人は,誰か運のある人から借りればいいのです。なぜなら運は,人を通じて運ばれるものだからです。運のいい人のそばにいれば,あなたの運はよくなります。運が悪いという人が,どうして運がないかといえば,それは自分自身を動かしていないからです。(p63)
「夢がない人」の夢がかなうことはありません。夢を持つことで,夢はかなえられるのです。運も夢も,じつは,あちこちに落ちています。(中略)「私なんてムリ!」といった時点で,運も夢も捨ててしまっているのです。夢をかなえたいと思ったら,自分の運を信じることです。運のいい人間になりたいと思ったら,自分の夢を持つことです。それなしに,手に入るものは何もありません。(p64)
何歳になっても,「いまさら」などと考えてはダメだと思うのです。ましてや,まだ60歳を過ぎたくらいなら,なおさらです。(p70)
とくに男性の場合は,会社を辞めて仕事をしなくなると,「出かける場所がない」「会える人がいない」ということになります。男性は外に出る機会がなくなると,早く衰えるのです。(中略)「もう終わり」と考えれば,からだも,それに合わせて老け込んでいきます。60歳というのは,「若々しい人」と「老け込んでしまう人」の分かれ目といっても過言ではありません。どうせ生きているなら,若々しく,毎日を楽しむほうが,絶対に得です。(p71)
人生はやり直しがきかないといわれたのは,過去のことです。あなたの人生は,いまから,いくらでもやり直しがききます。(p73)
人は,新しいことを知った分だけ,新しい夢が生まれます。残された時間があるなら,新たな夢を抱くことも,また,それをかなえることもできるでしょう。あなたにも,それをあきらめてほしくないのです。(p75)
私は,妄想すること自体は,悪いものだとは思いません。根拠のない自信が,思わぬ力を引き出すこともあると知っているからです。ただし,そこには,やはり「行動」がなければダメなのです。(中略)行動がなければ,妄想は夢のままとなります。(p79)
夢のための投資は,ある程度は必要かもしれませんが,老後の蓄えのほとんどを,それに費やしてしまうのは危険です。そんなことは,第三者であれば誰でもわかることですが,人は自分のことになると,信じられないほど楽観的に行動してしまうことがあります。(p82)
預貯金を切り崩してしまうのは,60歳,いや60代でも早すぎます。それをするのは,70代,80代になってから。(中略)私の友人たちの多くは,70代で生活費が尽きてしまい,それが死期を早めてしまいました。(p85)
どんな仕事に就いても,その働きぶりを誰かが見ているものです。(中略)だから,まずは働いて,自分を知ってもらうことです。そうすれば,見てくれている人が必ずいます。(p88)
60歳近くなったら,新しいものはほとんど必要なくなります。(中略)つまり,見栄のためにお金をつかうことはなくなります。(中略)高いものが欲しいというのは,せいぜい50代前半まで。(中略)ただし,ここが需要ですが,見た目がみすぼらしいと,幸運は逃げていきます。仕事にしても,老け込んだファッション,いまの時代に合わない服装の人には,不思議なことに,いい職種はまわってきません。できるだけ現代的な装いや態度,言葉づかいをすることです。(p94)
70歳を過ぎると,歩くのが億劫になることがあります。歩くことが好きな私でも,そういう日がないわけではありません。だから,60代のうちに歩いておくことです。(p103)
「自分のからだを痛めつけなさい」というのは,私の母の口ぐせのような教えでしたが,いま,60歳のあなたにも,それをオススメしたいと思います。(中略)60歳になったら,少しムリをするほうが,人生は楽しいと私は思います。(p111)
私は,この「いつもと違う景色」に身をおくことが,一番の若返りにつながると思っています。つき合っている人たちも異人種,異世代,異性など,自分と異なる人たちであれば,話の内容も違ってきます。だから若さが甦るのでしょう。(p113)
私は自分の60歳をふり返って,当時の自分の若さを取り戻すことができるなら,何でもしたいという気持ちになります。(中略)危ないこと,健康に悪いことは,しないに越したことはありませんが,安全な場所で何もしないでいるより,少しの危険を冒してでも,「やってみる」ところに価値があります。運命とは,そいういうものではないでしょうか。(中略)どんなに健康に気を配っていても,病気になることはあります。人生は,そんなふうに理不尽なのです。何も悪いことをしていないのに,不運に見舞われることだってあるのです。60年も生きてきたあなたなら,そのことを知っているはずです。(p114)
私は,60歳になったら,積極的につき合うのがいいと思っています。(中略)「運命の人」は1人とは限らないのです。また異性とも限りませんし,年上,年下の縛りもありません。結婚相手とうまくいっていたとしても,運命の人は現れます。(p119)
人は変わっていきます。20代にベストだと思った人が,60代になってもベストであるとは限りません。(中略)それは,あなたがそれだけ大きくなった証明かもしれません。(p121)
「生涯現役」とは仕事の世界のことだけではありません。私は常にそう思って,人生を渡ってきました。男女のつき合いにおいてこそ,「生涯現役」であるべきです。恋愛を降りたところから,人生はくすんできます。(p124)
20代,30代のときには,恋愛すれば100パーセントの気持ちで,相手に応えなければならなかったのが,大人になるほど,そのパーセンテージは下がってきます。60歳にもなれば,40パーセントくらいの気持ちでも,十分に恋愛をすることが可能です。つまり,それほどの覚悟がなくても,相手の気持ちに応えられるということです。(中略)激しいセックスがなくても,ときどき会って握手やハグするだけで満たされた気持ちを味わえます。それくらいならできる,と思いませんか?(p125)
1日誰とも口をきくことがない,という日が続くと,声も出にくくなっていきます。私は若さと健康の秘訣は声にあると思っていて,自分の声がきちんと出ているかどうかを気にしています。(p128)
友人や趣味の仲間がいる人は,恋愛もしやすいということがあります。それは,「関心を持つこと」を忘れていないからです。これは大変重要なことで,1人の生活が続くと,自分以外のものに関心を寄せることが少なくなっていくものです。何でも自分だけで完結できてしまうので,他の人やものは,それほど必要ではなくなるからです。(p129)
女性でも男性でも,イキイキと活力に溢れた状態こそが,まさに「盛り」のときで,その人次第で,いくらでも延長できると思っています。それだけに,いくつになっても,「女であること」「男であること」を放棄しないことです。(p145)
セックスとは,お互いがお互いを求め合うことです。その気持ちがあった先に,抱擁や触れ合いがあり,挿入があるわけです。でも,60歳になったら,挿入はあってもいいし,なくてもいい。そう思いませんか?(中略)若いときには,どうしても挿入することが目的となって,前戯がおざなりになりがちです。けれども女性のほうからすれば,挿入よりも前戯のほうが,ずっと強く,深く感じるという人も多いのです。(p147)
セックスから遠ざからないようにするコツは,セックスを大げさに考えないことです。(中略)服を絶対に脱がなければならないということもありません。ちょっと触るだけで,愛の交歓は十分です。(p151)
性欲をあまり感じない人は,それ以外のことで満たされているのでしょう。そうであるなら,それでいいのです。性欲のない自分を否定する必要はありません。(p153)
60歳を過ぎたら,自分のなかのタブーを外していくことも大切です。「この年になってエッチするなんて恥ずかしい」といった,つまらない考えは捨て去ることです。(p155)
自分が20~30代のときに似合ったものを,50~60代になっても似合うと思っている人は,案外多いものです。(p164)
自分よりも若い世代とつき合うには,彼らと対等になることが大事です。上から目線にならないのは当然ですが,逆に,下手に出て,ご機嫌をとるような話し方では,うまくいきません。「対等になる」ためには,次の2つが大切です。(1) 情報が新しく,その量が豊富なこと。(2) 尊敬し合える関係であること。(p173)
若い人とつき合っていくには,できるだけ相手にトクをとらせるようにしましょう。(中略)下の世代とのつき合いでは,自分が「してあげられることをする」ことが大事なのです。そのためには,自分のお金を使うことです。(p175)
リタイアしてからは,むしろ積極的に家事をこなす夫もいるようです。男性というのは,自分の仕事と認識すると,案外きちっとやるものです。それをすることで,新たな楽しみを見つけることになるかもしれません。(p179)
ここでお伝えしたいのは,70歳になっても,いまのあなたと,ほとんど変わることはない,ということです。小さなことで衰えを感じることはあっても,からだも気持ちも,依然として若さを保っていけます。私は70代の10年間で,100冊の本を出版しています。「それは櫻井さんが,特別だったのではありませんか?」という人もいるかもしれませんが,特別な人間など,この世にいません。(p192)
何かを頼まれたら,断らないというのは,どんな世代にも共通していえる大切なことだと私は思っているのですが,60歳になったら,なおさらです。たとえば,辞めた会社から,あるいは知り合いから,「仕事を手伝ってほしい」といわれたら,喜んでそれに応えてみるのです。報酬や条件などは二の次です。それをやって「できた!」という自信だけで,じつは大きな収穫になります。(p207)
いま感じている不安を消し去ることはできません。というより,消す必要はないのです。不安というと,いけないもののように思いがちですが,不安があるからこそ,強くなる,激しく戦えることがあると思うのです。何の不安もなければ,することもないでしょう。そのまま老いていくだけです。(p211)
20歳の若者にいうように,私は,60歳のあなたに,「あなたの未来は希望に満ちている」といいたいのです。そして,その未来を楽しんでいただきたいのです。あなたには,これまでの人生から身についたキャリアと知恵があります。これまでの失敗さえも,いまでは,あなたの宝になっているのです。そのキャリアと知恵と宝を携えて,第2の人生をスタートするのです。(p212)

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