編者 新潮社
発行所 新潮社
発行年月日 2013.08.30
価格(税別) 1,300円
● 次の23人が,書棚を素材にして,自身の読書遍歴や蔵書への愛憎を語る。愛憎の「憎」は,メカニカルに増えていくかに思われる蔵書の始末に関するものがほとんどだ。
小野不由美
椎名 誠
赤川次郎
赤瀬川原平
児玉 清
南 伸坊
井上ひさし
荒井良二
唐沢俊一
内澤旬子
西川美和
都築響一
中野 翠
小泉武夫
内田 樹
金子國義
池上 彰
田部井淳子
祖父江 慎
鹿島 茂
磯田道史
酒井駒子
福岡伸一
● 増えすぎる本に手を焼きながらも,どこか楽しそうでもある。これ,本当にいやになったら,仕事で必要だろうが何だろうが,放りだしちゃうだろうからね。
どこかで容認しているというか満足している部分がありますよね。
● 引用をふたつ。
ずっと仕事をしてきて,わかったことのひとつ,それは「ほんとうに必要なものならば,かならず探し出せる」ということだ。自分の手元に,いつ読むのかわからないまま,何百,何千冊という本を置いておくよりも,ネットにつながったノートパソコンがあればいい。一生かかっても追いつかないほど,行きたい場所がたくさんあって,会いたいひとがたくさんいて,作りたい本がたくさんある。そういう自分にとって,いちばん必要なのは資料の山じゃなくて,いつでもどこへでも,いま住んでいる場所を捨てて移動できるフットワークだ。(都築響一 p96)けっこういろんな人が同じことを言っていると思う。たしかに資料についてはそのとおりなんだろう。わかっていてもできる人とできない人がいるだけなんだろうな。
この棚は,「ピノッキオ」専用本棚になっている。僕は,どうも同じ本ばかり並べるのが好きで,他にも「坊っちゃん」専用や「南総里見八犬伝」専用もある。(祖父江慎 p144)これにはハッとさせられた。そうか,こういう読み方をしている人がいるのか。祖父江さんはブックデザイナーだけれど,こういう指向の持ち方が,彼のクリエイティブを支える柱のひとつなのかもね。
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