書名 もういちど読む山川世界史
編者 「世界の歴史」編集委員会
発行所 山川出版社
発行年月日 2009.08.30
価格(税別) 1,500円
● 高校では劣等生の悲哀を相当なところまで味わった。それだけが理由ではないけれども,高校に関しては愛校心ゼロ。
人生は苦だというのは本当だなとしみじみ思ったことは何度もある(誰でもそうだろうけど)。ウツ症状を呈したこともある(朝,強い酒を入れないと,足が外に向かわない。休まなかったけどね)。それで家族に大いなる迷惑をかけてしまった。身体がSOSを発したことも,何度もある。甲状腺が切れたり,皮膚潰瘍ができたり。
なんだけど,今までの人生の中で,最も辛かった時期は,高校の3年間だったと思っている。あの先の見えない閉塞感というのは,じつにどうも始末が悪いものだった。
● そのような次第で,高校の3年間は捨てたも同然で(ぼくの中では空白の3年間ということになっている),高校で学んだことなど何ひとつなかったと思っている。友だちもいなかったから,友人間での遊泳術なんてのも学ばなかった。部活も不参加。
だから,中学から直接,大学に入れてくれてればと夢想したりもする。中間省略の美学っていいますか。
● ま,よろしい。
で,そんな劣等生のぼくでも世界史だけは(あと,日本史も)好きだった。授業はしごくつまらなかったけど。
ぼくの時代は,1年で地理(この授業も死ぬほどつまらなかった),2年で世界史と倫社,3年で日本史と政経(この政経の授業の記憶が完璧にない),という配分になってたんだけど,地理の授業のときは世界史の参考書を読んで過ごしていた。
● 山川の『詳説世界史』は当時も評判で,教科書の中では最も「詳説」だと言われていた。この教科書にしか書かれていないことが,某大学の入試問題に出てた,とかね。
ぼくが通っていた高校では某社の教科書だったんだけど,何で山川じゃないんだよ,とか思ってましたね。
● 本書の元になったのが『詳説世界史』かどうかは知らないけれども,読みごたえがありましたねぇ。
「1848年は19世紀ヨーロッパの転換点であった」で始まる167ページのコラムなんか,ほんとにもう目から鱗を落としてくれるっていうか。
● 先日読んだ『倫理』でも同じことを感じたけれど,高校生って,高度なことを勉強してるんだなぁ。世界史に関してここまで行ってれば,もう十二分だよねぇ。考える素材は充分以上に備えたことになる。基本,これ以上は要らないと思う。
山川出版社から出ているこのシリーズは全部読むつもりでいるけれど,残念ながら社会科だけ。理科の教科書も読んでみたいものですな。読んでも歯が立たないだろうってのは,目に見えてはいるんだけど。
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