著者 杉浦日向子
発行所 イースト・プレス
発行年月日 2011.05.20
価格(税別) 1,000円
● 杉浦さんの作品群から編んだアンソロジー。
● こういうものから転載するのは阿呆の極みながら,特に心に残ったいくつかを。心に残ったというと,なんか格好いいけれども,要は自分に都合のいい言葉ってことですね。
江戸っ子の基本は三無い。持たない,出世しない,悩まない。(p14)
私たちは真・善・美だけを正しいものをして,そっちだけを抽出したいと思い続けていたのが,そもそも違っちゃったような気がします。偽・悪・醜を取り戻さないといかんですね。(p23)
なんのために生まれてきたのだろう。そんなことを詮索するほど人間は偉くない。三百年も生きれば,少しはものが解ってくるのだろうけれど,解らせると都合が悪いのか,天命は,百年を越えぬよう設定されているらしい。(p63)
江戸の人々は「人間一生,物見遊山」と思っています。生まれてきたのは,この世をおちこち寄り道しながら見物するためだと考えているのです。(p69)
自分が没落しようが,乞食になろうが,それも自分で請け負って楽しむというぐらいの気概がないと。「社会が悪いから失業した」じゃ,江戸はやれないですよ。(p82)
江戸の頃の豊かさというのは,天才とか,才のある人が,企業や大組織に取り込まれないで,遊びの中で才能を開花できたところにある。(p141)
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