著者 長谷川慶太郎
発行所 実業之日本社
発行年月日 2013.04.18
価格(税別) 1,500円
● 主には,中国が大変なことになっていると伝える内容。そのことについては,矢継ぎ早に著書を出して警告しているので,これもそうかと思って購入。
が,発行は昨年だった。買ってから気がついた。
● 1年前と今とでは何が違うか。
本書には人民解放軍が上で共産党は下という表現が出てくるけれども,シャドーバンキングの整理がらみで,習近平が人民解放軍を抑えることにとりあえず成功。瀋陽軍区も習近平にしたがう態度を示すようになった。
韓国については,大統領に就いたばかりの朴槿恵氏に期待を表明しているが,その期待は虚しかったということ。1年前はサムスンがまだ勢いがあったけれども,今でははっきり陰りが見えるようになって,韓国経済の先行きについてはいっそう悲観的。
● 中国の現状がどうなのか。次の一文が最も多くを語っていると思う。
日本の中国大使館にいた一等書記官でも多額の賄賂を貰っていることが明らかになりました。日本の公安当局が掴んでいるだけで8000万円もあったのです。実態はもっとあるでしょう。つまり,賄賂を貰わないと,一等書記官自身が大使館の中で,自分の地位を維持できないのです。金を集めて,それを上司に撒かないといけないわけです。このことは中国共産党が,どうしようもないぐらいに腐ってしまっている証拠です。(p98)その他,いくつかを転載。
人民解放軍の幹部が一番,懸念しているのは,兵士の質です。最近,入隊する新兵が,一人っ子政策で,集団生活になかなか馴染めないのです。(p20)
年金制度を見直して,充実させて,広く一般国民が安心して暮していけるようにするということは,今の共産主義ではできないことなのです。(中略) なぜか。国民を豊かにしてしまうと,共産党員になる意味がなくなってしまい,共産党の質が低下する恐れがあると考えています。(中略)共産党の権威を下げるようなことは絶対にしません。(p46)
国際的に,みんな反日デモを見ています。中国人は日本人の旅行者に何をしたか,日本のお店で何をしたか,世界が見ていました。中国という国家のレベルが低いという認識,これは世界共通になってしまったのです。(p48)● 対韓国では,従軍慰安婦についてひとつ転載。
従軍慰安婦の問題は,一言でいえば韓国の甘えなのです。本当のところを徹底的に議論すればいい。(中略) 日本軍が慰安婦を強制的に連行したことはありません。そんなことをしなくても,いくらでも売り込んできたのです。いい方は,やや乱暴かもしれませんが,供給がドンドンあって,どうして強制連行をする必要がありますか。(p127)● 国内でも直間税率の見直しを始め,やらなければならないことはいくらでもある。しかし消費税を上げるにしても,行政機構の簡素化とセットでなければならない。
著者は次のような例をあげている。
東大など国立大学の事務局に何人が働いているか。東大には約2000人います。これもコンピュータ化すればいいのです。それができれば,事務員は100人で十分に対応が可能でしょう。(中略)日本育英会の事務局は,全部コンピュータ化したことによって職員数は10分の1以下になりました。それで,支障をきたしたという話は聞いておりません。(p162)● ほかにいくつか転載。
日本では大学卒業生を幹部候補生として自衛隊に入隊をさせますが,ほとんどが旧帝国大学卒業生です。これは2012年の実績ですが,東大法学部の卒業生7人が入隊しました。一方,財務省の東大法学部卒業生の採用人数が4人にとどまりました。若者の意識が変わったのです。(p22)
ソニーは潰れます。こうした企業が家電以外の新しい事業に進出しようにも,時間とカネがかかり,もう間に合いません。どうしようもない状況に来ているのです。(p139)
冷静に考えてみてください。広島の原爆投下で被爆した人の最年長者は98歳となっています。被爆したら命が短くなるといわれていますが,本当でしょうか。(p167)
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