書名 京都 佳つ乃歳時記
撮影 篠山紀信
発行所 講談社
発行年月日 2003.10.01
価格(税別) 1,900円
● 佳つ乃さん,たんに立っているところや座っているところが,スッと美しいんだから,恐れいる。
横から写した写真を見ると,自然にしてたんじゃこういう背中のラインは出るはずがないと思うし,正面からの写真を見ると,中心線のブレのなさにため息が出る。
● 女性はここまで美しくなれる可能性を秘めているのだねぇ。もっとも,ここまで美しくなるためには,心身を相当鍛えなければならないはずで,その鍛練に耐えられるかどうか。
と偉そうなことを言っているけれども,ここまでになった女性には,ぼくなんか洟もひっかけてもらえないだろうな。
● 美というのは人工的なものなのだと思う。人工的というか作為が必要なのだ。放っておいたのでは,美は崩壊していく。自然にしていたらどうなるか。だらしがなくなる。
鍛錬と緊張が美の栄養なのだろう。人は常時,鍛錬と緊張に身を置いているわけには行かないから,それを解いたときの落差も相当あって,その差に常人はついていけないのではないかとも思う。
いきおい,美を体現した人は孤独に好かれることになる。
● 昔,郷ひろみとの浮き名をマスコミに報道されたことがあったけれども,彼女はそうしたこともムシャムシャと喰ってしまって,自分の栄養にしてきたのだろう。
その頃はあどけなさも残していたけれども,この写真集ではすっかり女将の貫禄。現在はそれから十数年が経過して,彼女も50代半ばになっている。芸妓も引退しているのじゃなかったか。
● が,長年鍛えて貯めてきた女の美というのは,加齢に対しても相当にしぶといのではあるまいか。
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