著者 成毛 眞
発行所 光文社新書
発行年月日 2015.08.20
価格(税別) 740円
● 著者の文章の特色は歯切れの良さだろう。逡巡しないで断定を重ねていく。世間に媚びないところも魅力。何の衒いもなく自説を述べる。
押しの強そうな人だから,常人ではなかなか付き合いきれないだろうけれど。
● 以下にいくつか転載。
ある分野の素人には,その分野を学んでいく過程を楽しむ権利があるのである。この権利は,もうその分野の専門家になってしまった人には,行使できない。 では,どこからその過程を歩み始めるのか。その道に詳しい人の話を聞くのでも,専門書を読むのでもいいだろう。しかし,案外,簡単で挫折せずにすむのは事典や辞書をよむことだと思う。(p4)
グーグル先生はキーワードを持たない人には何も教えてくれないのだ。 一方,事典を読むのにキーワードはいらない。適当にページを開けば,そこに必ず何かが記載されている。そのページをたまたま開いたという偶然が,未知を既知に変える。だから事典は素晴らしいのである。(p17)
大人はこれまでの人生で散々,言葉に騙されてきている。美辞麗句で飾り立てられていたものを実際に見てみたらガッカリしたという経験も,これまた誰もがしているだろう。 だから,ビジュアルでわかるものならば,言葉を尽くされるよりは絵を見せてくれという願望を,大人は持っているのではないかと思う。それに応えてくれるのが図鑑だ。(p33)● 本書で紹介されている「事典」の中でぼくが惹かれたのは,次の3つ。
鑑賞のためのキリスト教美術事典(視覚デザイン研究所)
世界毒舌大辞典(大修館書店)
こんなにちがう中国各省気質(草思社)
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