2018年3月13日火曜日

2018.03.13 堀江貴文 『多動力』

書名 多動力
著者 堀江貴文
発行所 幻冬舎
発行年月日 2017.05.30
価格(税別) 1,400円

● ここでいう「『多動力』とは,いくつもの異なることを同時にこなす力のこと」と定義されている。
 マルチタスクの同時進行。直列処理ではなく並列処理。だったら,世の女性の多くは得意としているところじゃないか,と思って読み始めたんだけど。
 ま,そういうことではないですよね。

● 以下にいくつか転載。
 テレビなどの家電はもちろん,自動車も,家も,ありとあらゆる「モノ」がインターネットにつながるということだ。すべての産業が「水平分業型モデル」となり,結果“タテの壁”が溶けていく。(中略)かつてない時代に求められるのは,各業界を軽やかに越えていく「越境者」だ。(p8)
 時代は大きく変わろうというのに,日本人は「石の上にも三年」に代表されるような「一つのことをコツコツとやる」という価値観からまだ脱せられていない。(p11)
 日本人は,修行や下積み,球拾いなど,苦しいことを我慢して行う美学が相変わらず好きだ。この本を読んだあなただけでもそんな空っぽな幻想から目覚めてほしい。(p25)
 いくらでも代わりのいる存在であれば,給料も上がらないだろう。ダイヤモンドがなぜ価値があるか? それは美しいからではなく,珍しいからだ。(p31)
 価値とはつまるところ稀少価値のこと。そこまでは誰でもわかる。では,自分に稀少性を付けるにはどうすればよいか。
 一つのことに1万時間取り組めば誰でも「100人に1人」の人材にはなれる。1万時間というのは,1日6時間やったと考えて5年。(中略)ここで軸足を変えて,別の分野に1万時間取り組めば何が起きるか。(中略)「1万人に1人」の人材になれる。(中略)さらに飽き足らずまったく別の分野にもう1万時間取り組めば,(中略)「100万人に1人」の人材が誕生する。ここまですれば,あなたの価値と給料は驚くほど上がる。(p32)
 「全部自分でやらなきゃいけない症候群」にかかっている人が多すぎる。自分の貴重な時間は,自分の強みが一番発揮できる仕事に集中させるべきだ。(中略)自分にしかできない仕事以外は,他人に思いっきり任せよう。(p40)
 『本音で生きる』はインタビュー時間ゼロでも完成しただろうし,なおかつ30万部のベストセラーになったと思う。なぜなら,過去にインタビューや本で僕が散々言ってきたことしか書いていないからだ。『本音で生きる』のインタビューは心底退屈だった。今まで何度も繰り返し言ってきたことを改めて聞かれ,僕はその度に「過去の本を読んでくれ」とインタビュアーであるライターに怒った。(p40)
 今後僕が発刊する書籍の多くは,キュレーションメディアのような作り方で「取材時間ゼロ」で進めたい。メルマガとHIUという,自分の有料メディアやグループでは,僕にしか書けない堀江貴文の核となるものを残しておく。本などなその僕の核からネタを引っ張ってくれば何冊でも作れると思う。(p41)
 時間をかければクオリティが上がる,真心をこめれば人に伝わるというのは,妄想にすぎない。(p42)
 共働きで仕事をしていれば,お母さんが子どもの弁当を毎回バッチリ作るわけにもいかないだろう。「今日は時間がないし疲れているから,冷凍食品を適当にレンジでチンしよう」こう割り切れると人生は一気に好転する。(p45)
 メッシのような超一流選手は90分の試合のうち大半をサボっていて,ここぞというときに一瞬の隙を突いて得点を奪う。緩急を使いこなすことこそ仕事の本質だ。(p47)
 目指すべきは,完璧ではなく,完了だ。(p48)
 大事なことは,見切り発車でもいいからやってみることだ。(中略)何かに向けて準備していることはないか? フルマラソンに出るために毎朝ランニングしてはいないか? 気になる女性とデートするためにダイエットしてはいないか? 準備している時間は無駄だ。今すぐ直近のフルマラソンにエントリーしよう。気になる女性と食事に行こう。(p54)
 何か一つのことに極端なまでに夢中になれば,そこで培った好奇心と集中力が他のジャンルでも同じように生かされる。僕が思うに,日本の「バランス教育」は子どもの集中力と好奇心をそぐようにできている。(p59)
 一つのことにサルのようにハマるが,実は飽きやすい。飽きやすいということをネガティブに捉える人もいるが,実は成長が速いということでもある。どんな分野でも,80点までには簡単にたどり着けても,100点満点を達成するまでには膨大なコストと時間がかかる。(中略)僕は80点を取れるようになるとあっさり飽きてしまうことが多い。(p65)
 いつも多動でいるために一番大事なこと。それは,1日24時間の中から「ワクワクしない時間」を減らしていくことだ。嫌な仕事はどうしたって気が進まない。効率も悪くなるし,能力だって発揮できない。そんなものを背負っていたら,身軽に,そして大量のプロジェクトを動かして生きることなんてできやしない。(p73)
 電話は多動力をジャマする最悪のツールであり,百害あって一利ない。(中略)驚くべきことに,メールやファクスを送ったあとに「今メールを送りましたから」「今ファクスしましたから」と電話を鳴らしてくるバカもいる。(p79)
 他人の目を気にしすぎて,「自分の時間」を生きていない人が多い。限りある人生,「自分の時間」を無条件で譲り渡すようなことをしてはいけない。多くのビジネスパーソンは,上司や先輩の怒りを買わないように無意味なルールに縛られ,「他人の時間」を生きている。自分が参加する必要もない打ち合わせに出て,上司の話をボーッと聞いている。(p85)
 何しろ僕は,どこかのお偉いさんと会っているときも,相手によって太祖を変えたりしないし,先方が天気の話題などどうでもいい話をしているときには,すぐスマホに目を落とし,「自分の時間」を過ごす。(p87)
 「堀江さんの本を読んですごく感動しました。ありがとうございます!」と言われても,「だから何?」としか言いようがない。そんなことは感想文としてアマゾンのレビューやツイッターにでも書いてくれれば済む話だし,わざわざ人の足を止めて伝えるべきことではない。自己満足の報告のために,「僕の時間」を奪わないでほしい。(p93)
 仕事なんていくらでもあるのだから,自ら望んでブラックな現場に留まらなければいいだけだ。「これしか仕事がない」というのは完全な思いこみだ。むしろ,ブラックバイトを辞めない人間がいるからブラックバイトがなくならないという事実に気づいたほうがいい。誰もやらなくなれば,その仕事はなくなるか,時給が上がるか,ロボットがやるようになる。(p99)
 時間の流れは確実に速くなっている。5年前の時間軸で生きていたら,時代に取り残されてしまうだろう。(中略)スマホがあらゆる,隙間時間を埋めるようになったことで,人の「時間間隔」は確実に速くなっている。昔は2時間の空き時間をヒマと言ったが,今は2分の空き時間も耐えられない。(p103)
 誰もが1日24時間で生きているはずなのに,とんでもない数の仕事(遊びのようなものも含め)とやっている活動的な人と,動きの少ないつまらない人がいる。それは努力や仕事量の差ではなく,「原液」を作ることができているかどうかの差だ。(中略)その限られた時間は,自分にしか思いつかないアイデアを出すことや,自分にしかできない発言をすることに集中すべきだ。関わっているプロジェクトの数が少ない人は大体,カルピスの原液を作れていない。他の誰かの作った原液を薄める仕事しかしていないのだ。(p111)
 では,いかにしたら原液を作れるようになるか。それは「教養」を身につけることだ。教養とは,表面的な知識やノウハウとは違い,時代が変化しても変わらない本質的なことを言う。僕は疑問に思うことは,とことんまで徹底的に掘り下げる。(中略)表面的な情報をいくら集めてもわからない。歴史を深掘りし,海外事例まで調べることで,知識の幹となる本質にたどり着くことができる。(p117)
 2016年9月に発刊された『サピエンス全史』は上下巻で分厚いが,教養を体系的に身につけるための格好の書だ。(p119)
 打ち合わせ中に知らない言葉が出てきたら,スマホでさっと調べればいい。わからないことがあれば,目の前の人に聞けばいい。世の中には,そんな簡単なこともできない人があまりにも多くて驚く。(p123)
 パティシエの世界では計量が基本であって,目分量なんてあり得ない。パティシエの世界の常識をちょっと応用するだけで,和食を一変させることができるのである。(p124)
 感情論が何かを解決することは永遠にない。(p136)
 僕は今,自分でも全貌を把握できないくらいにたくさんのプロジェクトを同時並行で進めているが,そのほぼ100%をスマホでこなしている。パソコンすらあまり使わない。スマホの普及によって,僕の仕事の効率は飛躍的に高まった。以前メルマガの原稿を書くときは,MacBookAirを使うことが多かったが,フリック入力のスピードがパソコンのブラインドタッチなみに速くなった今,パソコンを原稿書きに使う必要もない。(p143)
 スマホでApplemusicにアクセスすれば音楽を聴き放題だし,Amazonプライムに登録すれば,音楽だけではく映画やドラマもコンテンツが死ぬほど山積みされている。仕事も遊びも,コミュニケーションも買い物も,スマホで全部事足りる世の中なのだ。僕はスポーツジムでの運動中もスマホは手放せない。15分ランニングしたあと,インターバルを置いて少し休みながら15分歩く。歩いている間にスマホを開き,仕事を進める。(p145)
 仕事が遅い人は決まってリズムが悪い。大切なのは「速度」より「リズム」である。(p149)
 仕事がデキる人には「レスが速い」という共通点があり,忙しい人ほど持ち球を手元に溜めないものだ。(p155)
 仕事がデキない人,仕事がやたらと遅い人は,入り口の段階で仕事の仕分け作業ができていないことが多い。(中略)仕事で行列ができてしまうのは,単純にオペレーションが悪いのだ。(p157)
 僕は刑務所にいる間だって一度もメルマガを休刊しなかった。もちろんパソコンやスマホが使えないのは不自由極まりなかった。(中略)しかし,略語や短縮用語を多用し,できるだけたくさん漢字を使って1枚の便箋に大量のメッセージを凝縮していった。それをスタッフがワードで打ちこみ,メルマガとして発信する。(p161)
 僕が休むことなく週1のメルマガを続けられているのは,マメでも真面目だからでもなく,継続するためにストレスのかからない工夫をしているからにすぎない。(p162)
 僕は毎日,分単位のスケジュールで動いている。目まぐるしいスピードで移り変わっていく予定に,あまりに詰めこみすぎじゃないかと言う人もいるが,僕から見ると他の人が止まっているようにしか思えない。集中するとき,情報をインプットするときはとことんまで詰めこんでやったほうが効率もいい。(p167)
 多くの人は,自分の枠を勝手に決めてしまっているのだ。会食は1日1組,ライブは1日1回,デートは1日1人・・・・・・などなど。そんな常識は誰かが勝手に決めただけで,何の根拠もない。猛烈に何かを極めたければそんなストッパーなんか外して,極端なまでに詰めこまないといけない。(p170)
 「やりたくないこと」はやらない,「付き合いたくない人」とは付き合わないことが鉄則だ。(中略)最初はそんな環境(刑務所)に戸惑いもしたが,次第に,突っかかってくる者がいたとしても,華麗にスルーすればいいのだと悟った。劣悪な人間関係を乗り越えるには「スルー力」が欠かせない。(p179)
 僕は今まで散々世間を騒がせてきた。しかし,その度に思うことがある。「人間の記憶というものは都合良く塗り替えられる」もう少ししたら,ぼくが逮捕されたということすらほとんどの人が忘れてしまっているだろう。人間なんて本当にそんなものだ。(p189)
 恥をかく勇気,失敗する勇気さえもてば,どんどん免疫ができてリスクを取ることを恐れなくなる。この勇気をもつことが何よりも重要なのだ。(中略)成功している社長にはバカが多い。バカだから「恥ずかしい」とか「失敗したらどうしよう」などという「感情」を通り越してやってしまう。(p190)
 たとえ素っ頓狂な意見であっても,膠着状態を破り,一番最初に手を挙げて意見を言える人間は,それだけで価値がある。一人が手をあげれば,あとの人間も手を挙げやすくなる。(p196)
 ディープ・ラーニングの分野は驚くべき速度で開発が進んでいるそうだ。数年前の修士論文に書かれていたレベルの内容を,今は機械学習によって15歳の中学生がたった3日間で完全に理解できるというのである。となると,資格をもっているとか,高学歴であるといった過去の積み重ねは,あまり意味をなさない。今学びたいと思う意思さえあれば,すぐに身につけることができるのだ。つまり,今の時代に生きる僕たちは,マインド次第でいくらでも若返れる。(p203)
 資産や資格をもっていることで,むしろ腰が重くなる人が多い。そんなものさっさと捨てて,やりたいことをやったほうがいい。(中略)なぜ,みんな今もっているものを何とか生かそうという発想になるのだろうか? こういった貧乏根性があると,結局は損をしてしまう。(中略)「●●をしたい⇒●●が必要」というのが筋であって,「●●をもっている⇒●●しないともったいない」というのは大体うまくいかない。(p207)
 あなたが1000万円で買った株が200万円になりました。売るべきですか? 売らないべきですか? みなさんはどう考えるだろうか。 これは東電株の話だったが,ここで重要なのは,800万円の損をしたことはとりあえず忘れるということだ。そして,フラットな目で,今から東電の株を買うとしたら200万円出すに値するのか,それとも200万円あるならば,他の株を買ったほうがいいのかを考えることだ。(p209)
 成功するとみんなハワイに別荘をもちたがるのが,僕には理解できない。安全で快適だとは思うが,新しい発見があるとは思えない。(p213)
 僕が海外を飛び回ったり,たくさんの人と会うことには何か目的があると考える人がいるようだが,そんなものはない。いろいろな人と会ってしゃべればビジネスの新しいアイデアが生まれるからとか,人脈が広がるからといった理由によって,僕は行動しない。ただ楽しいからやるだけだ。(中略)何か具体的な目的のための手段として人生を送ってはいけない。楽しむことだけがすべてなのだ。(p220)

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