2018年4月5日木曜日

2018.04.05 茂木健一郎 『結果を出せる人になる! 「すぐやる脳」のつくり方』

書名 結果を出せる人になる! 「すぐやる脳」のつくり方
著者 茂木健一郎
発行所 学研プラス
発行年月日 2015.05.07
価格(税別) 1,300円

● 茂木さんのこれは自己啓発書といっていいんだろうね。本書を読む人のほとんどは「すぐやる脳」の持ち主ではないだろう。で,そういう人が本書を読んで「すぐやる脳」の持ち主になることは,おそらく絶無だろう。
 そこのところなんだよね。だからこそ,自己啓発書はいつの世でも売れる。効果がないから売れる。自己啓発書の効用とういのは,那辺にあるのかねぇ。

● と言いながら,自分はこういうものをたくさん読んでしまっているのだ。ぼくがやったことは単なる暇つぶしなんだろうか。
 さよう,然り。どうやら暇つぶしにしかならないようなのだ。で,これからもこの暇つぶしをやめられそうにないのだ。

● 以下にいくつか転載。
 「やろうと思っている,けれどもなかなか行動に移せない・・・・・・」と悩んでいる人は,決して「すぐやる」ことが苦手なわけではなく「脳の抑制の外し方」を知らないだけなのです。(中略)そこで大事なのが,あまり深く考えないことを習慣化することです。(p18)
 「二十四時間・仕事人間」の会社経営者が,あるとき“限界”を感じたというのです。最近体力が消耗して,どうにもやる気が起こらない。これは歳のせいだろうかと考えてみましたが,同年代でばりばり働いている経営者はたくさんいます。そこでその人たちを真似して,毎朝三十分早く起きてジョギングを始めてみると,驚くほど気力が続くようになったそうです。(p38)
 「脳の活動は抑制や制約により停滞する」と言いましたが,それはあくまで「他者からの制約」です。自分で自分に課す「自分からの制約」は,逆に脳のモチベーションを上げる行為となるのです。(p45)
 リスクを取らず現状に甘んじている人と,果敢にリスクを取って進化していける人の間に,これから深刻な階層ができ上がっていくと私は考えるのです。(中略)できるかどうかわからないけれど,まず,やってみようと決心する。今,その方向に道はないけれど,自分で道をつくってみる。(p48)
 チャンスは納得いかない,しんどい「無茶ぶり」としてあなたのもとにやってきます。それを受け入れられるかどうか。そこにあなたの成功がかかっているのです。(p52)
 リスクを取るということは,いたずらに危険を冒すということではありません。あらかじめ最悪の状況を考え,不安を取り除いておくことも,リスクテイクの大きな条件です。それにより,人間の実行力は大幅に強化されるのです。(p61)
 大きなことを成し遂げた人が,一般にネガティブとされるキャラクターだったという事例は,結構多いのです。そう考えれば自分のことを「ネガティブでリスクを取れない人」と決めつけてしまうのは,いささかもったいない行為です。(p68)
 行動力のある人とない人の一番の差とは,いったい何なのでしょうか。それは自己評価が高いかどうか,つまり自分に自信があるかどうかではないかと思います。(p71)
 ひと昔前なら,ベンチャーで成功して大金持ちになれば,高級車を乗り回し,高級スーツを身にまとっていたものです。けれども裏を返せば,それらは保守化に向かった行為ととらえることもできます。(中略)しかし,本当の意味で成功している起業家というのは,どんなにお金持ちになっても,一生ロックンロールな「芯の強さ」を持っています。(p79)
 人工知能でも難しいこと。それはクリエイティブな能力です。わかりやすい例で言えば雑談です。(p96)
 どうやって感性を磨けばいいのか。実はそれほど難しいことではありません。とにかく「好き嫌いを大切にする」ということです。特に,「嫌い」よりもまずは「好き」という感覚を磨いてみてください。(中略)逆を言えば,「基準が自分の中にない人」「世間に流されてしまう人」というのは,やはりクリエイティブな感覚を磨くことが難しい人だと言えるでしょう。(p102)
 クリエイティブの“本質”とは何でしょうか? それは絵が描けることでも,音楽を奏でられることでもありません。それを一言で言うならば,「様々な制約をクリアしながら新しいものをつくり上げること」でしょう。そうしたクリエイティブな作業に求められること,それは「締め切りをつくること」です。締め切りという制約をつくることなしには,クリエイティブという作業は成立しません。(p105)
 もっとも大事なことは,世間の常識や他人の評価を気にせず,まずは自分の中でその小さな成功が起こったときにちゃんと喜ぶということです。(中略)ここで一番いけないことは,「こんなのたいしたことない」「自分なんてしょせん,こんなレベルだ」と,小さな成功に罪悪感を持ってしまうことです。(p131)
 脳は,抑制を外してあげれば,あとは勝手に動いてくれるものです。(p133)
 マラソンの世界では,三十キロを過ぎてからスピードのピークを設定しろと言われています。最初からペースを上げすぎてしまうと,後でへばってしまうのです。これは人生全般に言えることでしょう。(中略)そのようにならないための秘訣とは,「他人を見ないこと」です。(p141)
 周りから「あの人はいつも頑張っている」と思われている人は,実は「頑張る」のペース配分がうまい人です。すなわち,ここぞというときに一気に集中できるだけの余力を残している人だということです。(p149)
 仕事をバリバリやっている人や勉強を頑張っている人は,実は普段から仕事や勉強について深く考えていませんし,また考えないようにしています。なぜなら,いちいちひとづずつ深く考えていては,体が持たないからです。(p151)
 今この本を読んでいる自分からスーッと抜け出して,自分の横に立っているというようにイメージしてみてください。そして自分を注視して,何を感じているのか観察してみてください。(p162)
 自分の作業を続けていて学生が急に話しかけてきたとしても,その一秒後には学生との話に切り替えるよう心がけています。そういった脳の対応力というのが「すぐやる脳」には必要不可欠なのです。(p171)
 人は共感を求めるとき,どうしても自分と似たような人に目がいってしまいがちです。けれども利他的な発想を考えた場合には,いかにして自分と違う人の立場に立てるかがポイントになります。自分と同じ境遇の人のことばかりを考えていれば,その範囲のことだけに脳の回路が定められてしまいます。(p183)
 自分の仕事に誇りを持って成功している人たちの共通点。それは他人を喜ばせるのがすごく好きなことです。その誰もが「サプライズ脳」とでも言うべき,思いもよらないユニークな発想に満ちた脳の持ち主なのです。(p185)
 必要なときに最低限の努力だけをして,無駄なことに一切手をつけず,省エネ人生を生きる人は,歳を重ねるにつれてどうしても伸び悩む傾向にあります。(p193)
 どんな些細な仕事でもベストを尽くして行動する。なぜなら,人間の脳というのは行動することでしか鍛えることができないのですから。(p201)

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