著者 堀江貴文
井川意高
発行所 幻冬舎新書
発行年月日 2017.09.30
価格(税別) 820円
● エンタテイメントとして読んだ。刑務官を含めての刑務所の人間関係や,刑務所の食事の話,作業の話,面会や手紙が文句なしに嬉しいことなど,経験者でなければ語れない話が面白い。何度か笑ってしまった。
● 以下にいくつか転載。
獄中でたくさんの本を読めたことも意味があった。思い返せば私がもつ知識の量は,東大時代が人生のピークだったと思う。社会に出てからは,アウトプットするばかりでインプットする時間があまりにも乏しかった。(井川 p7)
佐藤優さんからこういうアドバイスを受けたこともあったな。「井川さん,裁判官にとっては,自分の年収よりも大きいカネに関わった人間は全員悪人ですから」(井川 p101)
刑務所で一番ウマいのは何かといったら,そりゃなんといってもレトルト食品ですよね。(堀江 p109)
運動後の麦茶が,あんなにおいしいものだとも思わなかった。運動したあとにゴクッとやる刑務所の麦茶は,ドン・ペリニヨンやクリュッグにも勝るかもしれない。(堀江 p115)
だけど悲しいかな,シャバに出てきたらそいういう感覚はすぐに消えちゃうんだよね。刑務所という特殊な環境だからこそ,味覚や感覚が普通じゃなくなるのかもしれない。(井川 p115)
受刑者って芸能人がどうのこうのというミーハーな話題が大好きですからね。(堀江 p125)
月日の流れ方について言うと,前方を向いちゃいけないんだよね。なるべく後ろばかり見たほうがいい。「刑期はまだあと2年もあるな」と思うと気が遠くなるけど,「もう3カ月過ぎた」「もう半年も過ぎた」「1年が過ぎたぞ」と後ろを見ると,精神的にグッとラクになる。(井川 p155)
生半可でも全然かまわないから,メール感覚でポンポンポンポン気軽に送ってくれれば良かった。手紙をもらいすぎてウザいなんてことはありえない。(堀江 p157)
経営者から失脚してかえって良かったよ。会議室でエグゼクティブとしてバリバリ働いているよりも,ヤクザな生き方,傾奇者として歌舞うてる生き方のほうが,本来の井川意高だったのかもしれない。(井川 p201)
シャバの悩みの90%は仕事と女だね。こっちには仕事の悩みも女の悩みもない。だから本当にストレスフリーだよ。男の悩みなんて,実際のところそんなものだよね。(井川 p212)
本気でビジネスをやるためには,外でいろいろな人と直接意見交換しながら刺激を得ないと。紙の上から得た情報と空想を組み合わせてビジネスを思いつくなんて,天才はできるのかもしれないけど私には無理ですわ。(井川 p219)
ウィキペディアすら調べようとしない横着者が世の中にはあまりにも多い。ということは,負の歴史なんてあっという間に忘れ去られるんです。(堀江 p224)
私も女の子の前でいつ水着になっても恥ずかしくないように,がんばって週3はジムに通おうと思うよ。何事も動機は不純であるほうが,あとで出る効果は大きい。(井川 p227)
ムショに入るかどうかは別にして,人間誰しも,シャバでついた余計なアカは人生のどこかのタイミングで1回きれいに落としたほうがいいよね。(井川 p228)
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