書名 図解 人生がはかどる「ふせんノート」
著者 坂下 仁
発行所 フォレスト出版
発行年月日 2017.02.13
価格(税別) 1,300円
● 『1冊の「ふせんノート」で人生は,はかどる』の図解版。オリジナルを読んでいれば,この本を購入する必要はないと思う。
● “ふせん式夢実現シート”,“タスク管理用”,“プロジェクト管理用”,“学習用”に分けて,「ふせんノート」の活用例を示す。“ふせんマップ三兄弟”なる話も登場する。
が,これらは坂下さんではなくて,編集側の主導で構成されたものではないか。つまらぬ例示だ。
読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2017年8月31日木曜日
2017年8月28日月曜日
2017.08.28 大島 清 『脳年齢が若くなる生き方』
書名 脳年齢が若くなる生き方
著者 大島 清
発行所 新講社
発行年月日 2006.03.13
価格(税別) 1,300円
● 大島清さんといえば,“歩け”の人というイメージ。本書ではそのほかに,異性への関心を失うな,語彙を増やせ,若い人の意見を拒むな,好奇心を失うな,ということが説かれている。
そうしなければ老いを早めるのであろうし,老いないからそういうことができるのでもあるだろう。鶏と卵になるけれども,ぼくらは老いに直接手を突っこむことはできない。
だとすれば,異性への関心やお洒落心を忘れないように努めるほかはないのだろう。
● 以下にいくつか転載。
老いというのは年齢だけの話ではない,というのは本当なのかね。
著者 大島 清
発行所 新講社
発行年月日 2006.03.13
価格(税別) 1,300円
● 大島清さんといえば,“歩け”の人というイメージ。本書ではそのほかに,異性への関心を失うな,語彙を増やせ,若い人の意見を拒むな,好奇心を失うな,ということが説かれている。
そうしなければ老いを早めるのであろうし,老いないからそういうことができるのでもあるだろう。鶏と卵になるけれども,ぼくらは老いに直接手を突っこむことはできない。
だとすれば,異性への関心やお洒落心を忘れないように努めるほかはないのだろう。
● 以下にいくつか転載。
「老化」というのはものごとを後ろ向きにしか考えられないということだ。新しいことに挑戦する意欲もなく,あたかも枯れ葉が風に吹かれて同じところをグルグル回っているような,そして風がやめば地にへばりついてしまうような状態のことである。(p21)これって,若い人の中にもいるかもね。っていうか,ぼくはずっとそうだったかもしれない。
老いというのは年齢だけの話ではない,というのは本当なのかね。
昔の本は,そもそも黙読用でなく,声を出して読むようにリズムが整えられていた。あるご高名な方のエッセイだが,親鸞の「歎異抄」をいくら読んでも内容がわからなかったのが,声を出して読んでみたらスラスラと意味が頭に入ってきたとあった。(p21)
「自分は頭が悪い」と思っている人は,そう思うことで実際に頭が悪くなっている。(p24)
人生の成功というのは,脳が気持ちいいと感じる時間をどれだけ持てるかにある。「やった」という瞬間,「わかった」という瞬間をどれだけ持てるかにある。そういう体験の多さこそ脳年齢の若さになる。(p29)
定年を迎えるとタップリ時間がある。さて暇なときと忙しいとき,どちらがたくさんの趣味や勉強をこなせるだろうか。暇なときのように思えるが,案外これが逆である。(p34)
好奇心は,脳細胞を活性化させるのに欠かせないものである。なくなってしまえば,脳年齢はどんどん老化する。聞くのが恥ずかしいと思うのは,この流れを加速することである。脳にとって,「恥」は巨大なフタになる。(p40)
語彙が増えるということは,脳の回路がそれだけ複雑になることだし,増えた語彙の言い回しは,新たな思考回路の成立ですらある。語彙の不足は脳の危機だ。(p51)
ふだんから自分の意見をまとめる訓練をしておくのはよいトレーニングになる。新聞の投書欄,雑誌の投稿欄を活用するのはひとつの手だ。(p56)今だとTwitterなどで自分の意見を簡単に公表できる。Twitterを活用するのも手なのだろう。ただ,編集者という第三者の関門なしに流通させることができるから,Twitterの現実はゴミの山ではあるのだが(→オマエが言うな)。
食事はゆっくり楽しんでするものである。食事を視点にして人生を見れば,人生とは食事と食事の間に,仕事をしたり寝たり恋をしたりすることだとわかる。(p71)
料理は前頭連合野の創造性はもちろん,味つけの段階で大脳辺縁系が加担する全脳的な行為である。(p75)
年齢に関係なく異性との会話は知らない間に脳の刺激になっていることが多い。男性と女性では脳の使い方が違い,それゆえ発想が異なるからだ。(p86)
すべて,一般論でくくってしまうのである。若い女性のヘソ出しルックを見れば,恥ずかしくないのかと眉をひそめる。募金には偽善という言葉が頭にまず浮かぶ・・・・・・。感性が大味で視野が狭い。自分と同じような環境,同じような世代としかつき合わないからこういう無惨なことになるのだろう。(p94)
聞き役に回るのはいいものである。わたしは年下の人と話すときは,聞き役に徹する。(p95)
年を取っても足腰が丈夫な人は若い。脳もハッキリしている。なぜ若いのか。歩くことで脳が刺激を受けるからだ。(中略)歩く努力は惜しまないほうがよい。(p105)
つねに新しいことに挑戦し続ける前向きな姿勢こそが脳を元気にさせる。好奇心,冒険心,探求心が脳を刺激する。「おカネがないから」のひと言で,昼寝を決め込むようなことをしていたら,ないのはカネ以前の能力だということにもなりかねないだろう。(p113)
こういう「~しない」「~できない」という姿勢も,脳のフタである。そんなことを言って酒を飲みながら,五年も六年もうだつの上がらないサラリーマンをやっている人がいるが,五~六年と言えば,やる気さえあればどんなことでもできる時間だ。能力のない人は時間も無駄にするようだ。(p113)
少しでもかっこよく見られたいと思う意識は,若さを保つ秘訣である。異性に関心がなくなったとき,脳年齢は確実に老いる。(p125)
上手い悩み方は,脳にただようモヤモヤを全部言葉にして吐き出してしまうことだ。(中略)脳は言葉でもって考える。悩みごとやトラブルは言葉として脳の中にある。いつまでも脳の中で反芻していたら感情が高ぶっていけない。(p132)
決めつけてしまっては何も新しさは生まれない。型にはまっていれば安心ではあるが,言葉を換えれば,それは脳の怠惰である。それを避ける方法は,変なもの,非常識なもの,バカバカしいものを笑わないことだ。(p141)
失敗とかミスや偶然を,神の啓示と見なせるのは相当に蓄積があってのことである。「セレンディップ」という幸運は,そのような脳に訪れる。けっして果報は寝て待てということではない。(p143)
2017年8月25日金曜日
2017.08.25 和田秀樹 『玄関・入り口をきれいにすれば運が入り込む』
書名 玄関・入り口をきれいにすれば運が入り込む
著者 和田秀樹
発行所 新講社
発行年月日 2007.03.01
価格(税別) 1,300円
● 和田さんが書くんだから,ひと頃流行った風水の解説ではあるまいと思って読んだ。いや,本書が刊行された頃は,けっこう流行ってましたかね,風水。
まず風水ありきで,それに合わせようとするのは,はっきり愚かの域を出ないものでしょ。西に黄色で金運アップなんてのは罪がないからいいけれども,風水グッズを集めると,それ自体が貧乏くさくなる。貧乏くさいんだから,貧乏を読んでしまうんじゃないかと,余計な心配をしたくなる。
● 風水の極意は掃除という説もあって,これはわかる。単純に,片づいていれば気持ちがいいから。
風水云々は別にして,掃除をしましょう,特に玄関をね,というのが本書の説くところ。いわば,掃除の効用が述べられている。
● 以下にいくつか転載。
著者 和田秀樹
発行所 新講社
発行年月日 2007.03.01
価格(税別) 1,300円
● 和田さんが書くんだから,ひと頃流行った風水の解説ではあるまいと思って読んだ。いや,本書が刊行された頃は,けっこう流行ってましたかね,風水。
まず風水ありきで,それに合わせようとするのは,はっきり愚かの域を出ないものでしょ。西に黄色で金運アップなんてのは罪がないからいいけれども,風水グッズを集めると,それ自体が貧乏くさくなる。貧乏くさいんだから,貧乏を読んでしまうんじゃないかと,余計な心配をしたくなる。
● 風水の極意は掃除という説もあって,これはわかる。単純に,片づいていれば気持ちがいいから。
風水云々は別にして,掃除をしましょう,特に玄関をね,というのが本書の説くところ。いわば,掃除の効用が述べられている。
● 以下にいくつか転載。
人間というのは自分が幸運だと考えられれば,ものの見方が楽観的になり,行動も積極的になり,そのため幸せの好循環が起こるとみなされていることです。逆に自分は不幸だと考えていると,悲観的にしか物事を受け止められないため,行動も消極的になり,不幸に感じられることばかり経験してしまうことが起こるのです。(p4)
仕事でもそうですが,ほんとうのくつろぎは,やるべきことをやったあとにしか生まれてきません。緊張感のない人には,ほんとうのくつろぎも訪れないのです。(p69)
こころを掃除するのはむずかしくても部屋を掃除することはできます。モヤモヤした気持ちのままでもとにかく体を動かして,身の回りをすっきりとっせればいいのです。それができたときには,こころももうすっきりとしています。掃除の持つこういった効果は,おそらくわたしたちは経験的に学んできたことです。こころの修行を日々の勤めとした禅宗が,掃除を大切なものと考えたのも頷けます。(p71)
やましさ,後ろめたさがあるときは,わたしたちはこころのドアを開きません。開いてもほんの少しで,カメのように甲羅から首だけ出して相手と向き合おうとします。(p77)
片づけの目的はものを置かないスペースをつくることです。そのスペースを活用することではなく,何もない空間をつくることだと考えてください。(p89)
占いや運勢といった,自分の力の及ばない世界を信じるのは,自分に自信がなく,世の中を論理的・現実的に眺める力が弱くなっている人が増えているせいです。(p93)
家相に詳しい人から聞いた話なのですが,たしかに家相には先人の知恵が詰まっているし実感的に頷けるものも多いのですが,それはすべて,健康的に,気持ちよく暮らすための知恵であって,「最初に家相あり」と解釈するとおかしなことになるそうです。(p99)
家の中が雑然としている人は,「捨てる」ことの下手な人です。そして「捨てる」ことの下手な人に共通する心理は,自己肯定がなかなかできないということです。(p112)
必要なものを揃えるのではなく,好きなものだけ置いておく。そんな小さな決心が,どれほどシンプルな暮らしを作ってくれるか,想像してみましょう。(p113)
こころは明快な世界が好きだし,安心するということです。わたしたちは不安定な状態や複雑なもの,理由のわからないこと,違和感を覚えること,隠れて見えないものなどに対して,気持ちのざわめきを感じます。安心できないのです。散らかった部屋はまさに,そういった状態になります。(p114)
暮らしを慈しむゆとりのない毎日は,日々,疲労感だけを蓄積させます。働きづくめの男たちは元気を失って当然なのです。(p127)
2017年8月22日火曜日
2017.08.22 茂木健一郎 『この法則でゾーンに入れる! 集中「脳」のつくり方』
書名 この法則でゾーンに入れる! 集中「脳」のつくり方
著者 茂木健一郎
発行所 朝日出版社
発行年月日 2014.09.20
価格(税別) 1,300円
● ゾーンというのは,集中とリラックスが両立している状態のことらしいんだけど。自分がその状態になったことがあるだろうかと来し方を思い返してみたけれど,どうもはっきりそうだと思いあたるところはない。
が,子どもの頃にはあったかもしれない。っていうか,あったと思いたいね。
● 以下にいくつか転載。
著者 茂木健一郎
発行所 朝日出版社
発行年月日 2014.09.20
価格(税別) 1,300円
● ゾーンというのは,集中とリラックスが両立している状態のことらしいんだけど。自分がその状態になったことがあるだろうかと来し方を思い返してみたけれど,どうもはっきりそうだと思いあたるところはない。
が,子どもの頃にはあったかもしれない。っていうか,あったと思いたいね。
● 以下にいくつか転載。
起業に成功している人の特徴として,あまり世の中や人の意見に左右されていない傾向が見て取れます。(p21)
何かをしている自分と,それを客観的に見ている自分を同時に感じているときは,うまく集中ができているときであるといわれています。(p39)
集中力が高い人というと,何かひとつのことをずっとやり続けるというイメージがあるかもしれません。でも実はそうではなく,意外とみんなが見落としがちなのは,あれこれと多様なことをパッパッと切り替えてやれる人は動的な集中力が高いということなのです。(p56)
お祭り人間になるということがとても大事であって,それは集中力を高めるトレーニングになっていきます。(p65)
心の中で引っかかったものはやったほうがいいということです。何かに集中していると,あるときふとやるべきことが頭に浮かんでくることがあります。(中略)このように思い出したことというのは,大抵の場合優先順位が高くなるべきものだったりします。(p74)
今のビジネス書やセミナーでは,「これをやると何ができるか」あるいは「キャリアアップするためにはこうすべき」といった,いわゆる「意識高い系」が良しとされることが多いわけですが,脳科学の視点からいえばそれはフローという理論から最も遠く,実際,そういう意識過剰ぎみの人が何かに集中しても何も成し遂げられないケースがとても多いと感じます。(p91)
私の友人である堀江貴文さんは,非常に集中力が高い男だといつも感じています。彼の集中力は,ひとつのことを職人のように集中するというレベルではなく,現代の分散型情報処理を必要とする社会においてもひとつひとつのことに達人的に集中することができるというものです。たとえば,原稿をスマホのフリック入力であっという間に書いてしまう,さらに印象的だったのが記者会見のときでした。(中略)堀江さんは記者会見をしながら,片手にスマホを持ってメールを打ったりしていました。(p102)
先生や生徒など他者とのやりとりが頻繁にある学校の教室や予備校はかえってフローに入りにくい環境です。フローというのは,自分のリズムでやらなければいけない。だから,勉強ができる人というのは独学が好きな人が多い傾向にあります。(p106)
集中できない人の意外な盲点は何かというと,それは,「本質的なことは何か」についての認識が低いということです。(中略)世の中には枝葉末節なことが多くて,そこにとりとめのない時間を費やしてしまっている人が非常に多いのです。(p112)
教授といっても授業はせずに,ただひたすら研究だけに打ち込むことができる機関だったのですが,アインシュタインはこのプリンストンでは,あまり成果を上げられませんでした。私はここに,「集中する」ことの本質が隠れている気がしています。大学の研究にしても,授業をやったり,学生としゃべったりするという,そういうちょっとした雑務が大事だということです。(p120)
何よりも大事なことは,ひとつの仕事が終わったときに振り返らないということ。そして名残惜しく思わないということです。(p135)
歩く必要のないエスカレーターで,何かひとつだけと決めてアイデアを練ってメモを取るということもよくやっています。(p140)
集中する気持ちがあるから,集中する行動が起こせるのではなく,集中する行動があるから,集中する心がつくられるということです。(p144)
集中力について考えたとき,意外と見逃されているのは,読書の効用だという気がしています。(中略)本当のは主に文字なので,抽象的な情報をとらえ,イメージで再現していく読書ではかなりの集中力が必要とされるからです。(p152)
美術館に行って作品を観ていると,体を動かしていないのにもかかわらず,疲労感を覚えます。(中略)なぜ,それほど疲れるのかといえば,やはり作品が一個一個の持っているメッセージを読み取ろうと脳が集中するからです。(p155)
2017年8月18日金曜日
2017.08.18 茂木健一郎 『食のクオリア』
書名 食のクオリア
著者 茂木健一郎
発行所 青土社
発行年月日 2006.06.10
価格(税別) 1,400円
● “おいしさ”について四方八方十六方から検討していく。雑誌連載をまとめたもの。当然,連載の1回ごとにテーマが違い,それが集まって四方八方十六方になったわけだ。
文章も著者自身の手によるもの。
● 以下にいくつか転載。
著者 茂木健一郎
発行所 青土社
発行年月日 2006.06.10
価格(税別) 1,400円
● “おいしさ”について四方八方十六方から検討していく。雑誌連載をまとめたもの。当然,連載の1回ごとにテーマが違い,それが集まって四方八方十六方になったわけだ。
文章も著者自身の手によるもの。
● 以下にいくつか転載。
しばしば「ウニを最初に食べた人間は勇気がある」とか,「ナマコを食べようと思った人は偉い」などといったことを言うが,実際には,文明以前の野生生活において,食べ物が十分に得られずに今まで食べたことがないものを口に含んでみることなど,日常茶飯事だったはずである。(p14)
料理の盛りつけというものの不思議さ,割り切れなさは,それがやがて壊されてしまうものであること,壊されるためにこそあるということの中にある。(p28)
自分とは異なるものを食べ,身体の中に入れ,同化してしまうという一連の行為の中には,人間を初めとする生物の存在自体に内在するエロスがある。 茶器,壺などの骨董を,博物館の中でガラスケースに入っている状態で鑑賞することと,それを手に取り,撫で,触るときの体験は全く異なる。ましてや,器に茶を入れ,それに唇を付けてその感触と暖かさを味わう行為には,そうしないと味わえない喜びがある。(p28)
食べ物なんて,栄養さえとれれば良い,と考えるのは,そのために犠牲になった生き物たちに対して失礼である。何よりも,自分自身の生に対して失礼である。(中略)食べるという生の根幹をないがしろにしては,宗教生活も,世俗の生活も成り立たない。(p33)
そのメッセージを出すのに必要な生理的,心理的コストが高いほど,そのメッセージは強いインパクトを持つ(p39)
二つ以上のクオリアが同時に成立すると,その組み合わせにより,全く新しいクオリアが生み出される。1+1が2以上になるのが,意識の中の質感の世界なのである。(中略)感覚が統合される過程で,全く新しい「何か」が生み出されている。統合の対象となっている感覚からは類推が利かないような,新しいクオリアの次元が生み出されるのが,感覚統合のプロセスの本質なのである。(p43)
どんなに食材の贅を尽くしても,文化的に見た条件をそろえても,人間の脳は,予定調和では満足できないという贅沢な性質を持っている。(p75)
人間の幸福は,結局は脳内の快楽物質の分泌によって決定付けられる。(p83)
アフタヌーン・ティーを楽しむ人たちは,「アフタヌーン・ティー」というイメージをも食べている。(p85)
にぎり寿司という食文化は,その発祥の地の東京を離れることによって自由を得て,さらなる発展を遂げようとしている。(p88)
他人の作った料理を食べるということは,究極の信頼を寄せることである。(p93)
文化は,互いが作ったものを交換することで成り立つ。(p94)
文化の違いを尊重することも大切であるが,それも,最低限共通できる基盤があってのことなのである。(p99)
欲求は,それが容易に満たされないものであるほど,強いものになる。(中略)「懐かしさ」は,原理的には決して完全には満たすことのできない欲求である。(p102)
脳内の認知プロセスの本質は,カテゴリー化(分類)にある。最初は「苦い」としか知覚できなかった味の中に,無数のヴァリエーションがあることが,そのような刺激に接する回数が多くなるにつれてわかってくる。(中略)脳の仕組みとして,世界を知れば知るほどさらに奥深い細部が見えてくるという構造があるのである。だからこそ,生きていることは面白い。(p114)
日本で定着したこの習慣(バレンタイン・デー)も,チョコレートという食品の特性あってのことである。もともとは,仕掛け人がいたのだとしたり顔で言う人がいるが,いくら宣伝してもそれが人々の想像力を刺激しなければそれまでのことである。(p118)
欠乏するとは,すなわち,「待つ」ことである。飽食とは,「待つ」ことなく,すぐに食べ物が手に入ることである。(p131)
人間の脳は,結局,快楽原則に従って動いている。従来の様々な社会運動が,時に人々の生活実感から離れ,結局は失速していったのも,脳が快楽原則で動く臓器であるという事実を見過ごしていたからであろう。もちろん,快楽といっても,様々なあり方がある。どのような時に,どのような形で快楽を感じるかということ自体が,一つの文化である。(p136)
学会などで,世界のいろんな国に行く。面白いことに,しらふの時には随分国民性が違うなあと思っていても,ビールやワインを飲んで酔っぱらってくると,皆同じになる。(p164)
熱帯に比べれば,北方の自然は,モノカルチャーにもともと向いている。北の原野は,一見したところ小麦畑とそれほど変わらない。(中略)北の文化は,確かにモノカルチャーの発想に至りやすい。(p171)
「北」は,もともと乏しいモノカルチャーの自然環境を克服し,その上に人工的な豊穣を作り出すためにこそ,文化を作り,文明を築き上げたのである。(p173)
国内の様々な立場の人たちの生活を「勝ち組」「負け組」といった二分法で語ることが間違っているのと同じように,「北」と「南」の差を,一人あたりの所得で語ることは本質を外している。そもそも,南の自然は,単一の基準でそれを把握することが困難なくらいの多様性に満ちている。(p174)
どこで何を食べてきたかということが,まるで人生そのものの縮図であるかのように感じられる。それもそのはず。人は,時々息継ぎをしに水面に上がってくる生物のように,時折ご飯をたべることなしでは生きてはいけない。「命継ぎ」の儀式をどこで行ったか。その記憶が,人生の中で特別な意味を持たないはずがない。(p204)
人生の本来の価値に気づかされるほど,嬉しいことはあるものではない。日常の中ではその光輝が隠蔽されているかけがえのないものに気づかせてくれるものは,どんなものでも広い意味での「芸術」である。(p205)
恥ずかしいという気持ちは上手に乗り越えて自分を開くためにこそある(p212)
2017年8月11日金曜日
2017.08.11 伊藤まさこ 『夕方 5時から お酒とごはん』
書名 夕方 5時から お酒とごはん
著者 伊藤まさこ
発行所 PHP
発行年月日 2016.11.15
価格(税別) 1,500円
● 衣食住や友人との付き合い,要するに生活,それをていねいに重ねることの大切さ。お金があればあるなりに,なければないなりに,できる範囲で。
わかってはいても,なかなかできない。女性もフルタイムの仕事を持ってるのがあたりまえになった。仕事とていねいな生活を両立させるのは相当な難事だろう。いはんや,男性においておや。
● 伊藤さんにしても,それを仕事にしているから,ここまでできているってことかもしれないよなぁ。いやいや,そんなことはないのか。
もって生まれた性格ですかね。努力しなければそれをできない人っていうのは,たぶんずっとできないままで終わるんじゃないかと思うんだけど。一時的に発憤することはあるかもしれないけれど,持続させるのはなかなか難しいと思う。
● ぼくなんかその典型。衣食住って,基本,どうでもいいと思ってしまっている。
8畳の1Kに住んで,ご飯だけ炊いておかずは納豆とかふりかけとかレトルトカレー。たまに簡単にできる野菜炒めを作って食べる。冬はこれまた手軽に作れるおでんとか。出汁はもちろん市販の顆粒のやつを使う。服は必要な数しか持たず,着たきり雀になるのも辞さない。
酒は安ウィスキーか焼酎を炭酸か水で割って飲む。春夏秋冬,それで通す。肴はスーパーかコンビニでテキトーに買ってくる。
そういう生活で充分だと思っている。実際に最近もそういう数年間を過ごしたことがある。
● が,たまにはこういう本を読んで,風を入れたくなる。以下にいくつか転載。
著者 伊藤まさこ
発行所 PHP
発行年月日 2016.11.15
価格(税別) 1,500円
● 衣食住や友人との付き合い,要するに生活,それをていねいに重ねることの大切さ。お金があればあるなりに,なければないなりに,できる範囲で。
わかってはいても,なかなかできない。女性もフルタイムの仕事を持ってるのがあたりまえになった。仕事とていねいな生活を両立させるのは相当な難事だろう。いはんや,男性においておや。
● 伊藤さんにしても,それを仕事にしているから,ここまでできているってことかもしれないよなぁ。いやいや,そんなことはないのか。
もって生まれた性格ですかね。努力しなければそれをできない人っていうのは,たぶんずっとできないままで終わるんじゃないかと思うんだけど。一時的に発憤することはあるかもしれないけれど,持続させるのはなかなか難しいと思う。
● ぼくなんかその典型。衣食住って,基本,どうでもいいと思ってしまっている。
8畳の1Kに住んで,ご飯だけ炊いておかずは納豆とかふりかけとかレトルトカレー。たまに簡単にできる野菜炒めを作って食べる。冬はこれまた手軽に作れるおでんとか。出汁はもちろん市販の顆粒のやつを使う。服は必要な数しか持たず,着たきり雀になるのも辞さない。
酒は安ウィスキーか焼酎を炭酸か水で割って飲む。春夏秋冬,それで通す。肴はスーパーかコンビニでテキトーに買ってくる。
そういう生活で充分だと思っている。実際に最近もそういう数年間を過ごしたことがある。
● が,たまにはこういう本を読んで,風を入れたくなる。以下にいくつか転載。
手軽にできるのがいいに決まってはいるけれど,手間を端折りすぎておいしさが半減するのはいやだ(p3)
お酒に魅了されたのは,シャンパンとの出会いがあったからでは? と思っている。(p18)
家に帰って,便利さに驚いた。今までこれなしでどうやって暮らしていたのか。(p32)
「おいしい」とは味だけでなく,見た目の要素もかなり重要。(中略)時に驚きがあるとよりいい。(p38)
素材にもよるけれど,最近,茹でるよりも蒸す方がおいしいでのは? と思っている。(p40)
大きいの,小さいの。いろんな大きさにすると口の中がたのしい。(p61)
私に特技があるとしたら,それは味の記憶をはっきりと思い出すことができるということではないか。(p68)
(いちじくの)葉を生ハムに添えるととてもいい感じなのだ。楕円の皿に大きめの葉をおき,切ったいちじく,その上に生ハムをはらりはらりと空気を孕ませながらおく。ただ葉があるだけなのに,皿の上の景色はいつもとまったく違って見えた。(p104)
この和えものは少し固めがいい。さいの目の形がきちんと残った方が見た目に美しいからというのがその理由。(p132)
2017年8月10日木曜日
2017.08.10 堀江貴文 『君がオヤジになる前に』
書名 君がオヤジになる前に
著者 堀江貴文
発行所 徳間書店
発行年月日 2010.10.31
価格(税別) 1,200円
● この本で最も強調されているのは,少数派であれということだろう。人と同じことをするなということ。
誰もが食べているものを食べ,誰もが見ているテレビ番組を見,先生の言うことや世間の常識に合わせようとし,人とは仲良くしなければならないと思い,成功するためには苦労しなければいけないと考える。そういうことではダメだ,と。
● そこから脱するためにはどうすればいいのか。それはわからない。ひょっとしたら,そのあたりをどう考えるかは性格に依存するかもしれない。とすれば,生まれたときに決まっているかもしれない。
若いときに人のしないような経験をする機会があるかどうかによるのかもしれない。だとすれば,それは偶然で決まることになる。
自分で意識して変える努力をできるようになるには,ある程度の経験を積んでからになるのが普通かも。だから普通ではダメなんだと言われてもなぁ。
● もしかしたら,多くの人が少数派になれないでいるのは,いい年になったら結婚して子どもをもうけなければいけないと思っているからではないか。家庭を持たなければならないと考えているところにあるのではなかろうか。
とすると,それは神様の計らいということになるのではないか。
● 以下に少し多すぎるかもしれない転載。
が,ぜんぜん。果てしがない。「世の中の清浄化・無菌化の潮流」は,別の言い方をすると,世の中の女性化でもある。平和と繁栄の産物だから,なかなかとどめることはできない。
著者 堀江貴文
発行所 徳間書店
発行年月日 2010.10.31
価格(税別) 1,200円
● この本で最も強調されているのは,少数派であれということだろう。人と同じことをするなということ。
誰もが食べているものを食べ,誰もが見ているテレビ番組を見,先生の言うことや世間の常識に合わせようとし,人とは仲良くしなければならないと思い,成功するためには苦労しなければいけないと考える。そういうことではダメだ,と。
● そこから脱するためにはどうすればいいのか。それはわからない。ひょっとしたら,そのあたりをどう考えるかは性格に依存するかもしれない。とすれば,生まれたときに決まっているかもしれない。
若いときに人のしないような経験をする機会があるかどうかによるのかもしれない。だとすれば,それは偶然で決まることになる。
自分で意識して変える努力をできるようになるには,ある程度の経験を積んでからになるのが普通かも。だから普通ではダメなんだと言われてもなぁ。
● もしかしたら,多くの人が少数派になれないでいるのは,いい年になったら結婚して子どもをもうけなければいけないと思っているからではないか。家庭を持たなければならないと考えているところにあるのではなかろうか。
とすると,それは神様の計らいということになるのではないか。
● 以下に少し多すぎるかもしれない転載。
独立を一度でも経験しておくと、ビジネススキルが飛躍的にアップする。(中略)具体的にはお金の流れが把握できる。(p11)
思考停止を阻む訓練として,今のトレンドでいえばツイッターを活用するのは悪くないと思う。文章を書くという行為は脳を活性化させる。ツイッターの140字で感情を伝えるためには,いろいろな表現を使わなくちゃいけないから,自然と思考力は豊かになる。(p17)ぼくもツイッターを始めたんだけど。思考力は豊かになっているかなぁ。どうなんだろうなぁ。
君のようなタイプは,きっと摩擦が苦手なんだ。議論もしなければ,悪口からもすっと遠ざかる。たぶん勉強も運動もそこそこできたはず。(中略)でも,そういう「そこそこ」の人が,いま最も損をしている。ビジネスにおいても,私生活でもだ。(p19)ぼくはその「そこそこ」の人だ。摩擦が苦手だし,議論もしない。議論で解決する問題などほとんどないと思っている。だから議論なんて時間のムダだと心得ている。
食生活の均質化は,思考を停止させる可能性をはらんでいる。(p24)
テレビの薄味化は,どんどん進行していくはずだ。この高度情報化社会で生き残りたいと願っているなら,薄味のものから意識的に遠ざかるべきだろう。(p28)
世の中の清浄化・無菌化の潮流は,急速に進んでいる。社会が成熟していく過程で,違法行為が少なくなればなるほど,権力側は自らの存在意義を維持するために,これまでは問題視されなかった瑣末な違反も取り締まりの対象としていく。(p30)本当にそうだと思う。数年前に行くところまで行ったんじゃないかと思った。反動が来るんじゃないかと考えた。
が,ぜんぜん。果てしがない。「世の中の清浄化・無菌化の潮流」は,別の言い方をすると,世の中の女性化でもある。平和と繁栄の産物だから,なかなかとどめることはできない。
君は,部屋が本で埋もれて,積み上げたら山になると,まるで自慢のように語る読書好きのようだ。君に訊きたい。書物の山は,本当に必要な情報をもたらしてくれたか? その山を征服している間に,現在のスピードに乗り遅れてはいないか?(p39)
自分が個人として保険に加入する気は,さらさらない。あんな時代遅れで,金を払うリスクだけしかない制度が,どうして自然に受け入れられているのか。僕には理解できない。(p45)
アップルだとかマイクロソフトだとか,あのレベルの起業を目指すことは,体力的にも気力的にもきっとできる。ただ(中略)他にいくらでもあるやりたいことを犠牲にして,60歳になった時に社員10万人の企業の社長ぐらいで収まっていたくない。正直,世界企業のトップの役職に就いたところで「その程度の人生なの?」と思う。(p49)
この世に君のことを好きと言ってくれる女性が,ひとりもいないなんてことはあり得ない。男女のマッチングの幅の広さを信じるべきだ。(p53)
彼(梨本勝)は最新のITを駆使してビジネスを展開していた。入院してからも,病院の許可を得て携帯電話とPCを持ち込み,ツイッターで自身の病状をレポート。さらには,タレントの記者会見現場と病室をUstreamで結び,遠隔で取材する,なんていうことまで本気でやろうとしていた。65歳の抗ガン剤を受ける身で,だ。(p58)
耐えること,苦労することが成功への道だという固定観念を解くべきだ。誰に言われたことか知らないが,つまらない苦労や忍耐が折り重なって,身動きを縛っているような気がしてならない。(p61)
僕は賭けにも,恋愛にも,常に限界はないと思っている。「ここを逃したら後はない」という発想は,もっと先にあるはずの限界を,自ら近くに引き寄せてしまっているのだ。(p63)
いまどき料理が不得意なんて,あり得ない。(中略)君は,これらすべてを「面倒臭い」と片づけてしまうかもしれない。もしそうなら,残念だ。「面倒臭い」は,思考停止をした人間の,自覚のない敗北宣言だ。面倒臭がり屋に,アドバイスできることは何もない。(p65)「面倒臭い」はたしかに最悪。が,しばしばその思いにとらわれる。縁なき衆生は度しがたし。ここは踏んばるしかないねぇ。
出どころはよくわからないけれど強い自信を持っている者に,人は不思議と信頼を寄せてしまうものだ。(p81)
後追いで動いている人は,損をして当たり前だ。(p83)
無知の者は,宝くじを買って大金持ちの夢を見たりする。あれほどバカげた行為はない。(中略)宝くじにかけるお金は,無知への税金だと考えた方がいい。(p86)
自分の知らない世界の人たちと交わって,ビジネスチャンスを拡げたいなら,ブログやツイッターの方がよっぽど効果的だ、(中略)数々の異業種交流会に招かれた僕が断言する。あんなところに出入りする人間に,未来をつかむ才能を持った人間はゼロだ。(p92)そうなんだろうな。異業種交流会に惹かれてしまう時点でちょっとダメだろうな。その他大勢の一人になっているわけだから。意識高い系も同じ。
みんな無駄なものにお金を使いすぎるんだ。ちょっと考えたら安くあげられる物に,わざわざ大金を払おうとする。それが粋だとでも思っているのだろうか? 僕はほとんど,物を買い替えたりしない。(中略)パソコンは6年前に買ったVAIOをそのまま愛用している。(p116)このあたりはぼくも同じなんだけどなぁ。
逆境は我慢と,あがくことでしか乗り越えられないことを知っている。(p168)
旅先では,見ず知らずの人から受ける優しさが,本当にありがたかった。それに感激して,「日本に帰ったら,もっと他人に優しい自分になるんだ!」と心に誓うんだけど,帰国すると一週間もたたないうちに,他人に優しいどころか,ろくに挨拶もできないダメな自分に戻っちゃう。(福本伸行 p187)
追い詰められたところで意外な能力を発揮するのって,実はそんなにたいしたことじゃないと思うんです。普段,どれだけのことが,当たり前にできるかっていうのが大事なわけで。(福本 p188)
マイノリティに賭けなければ,本当の勝利はありません。マジョリティに属していたら負け。これはビジネスの鉄則だと思うんです。(p194)
必ずしもたくさんの経験が良い創作を支えるわけじゃない。(中略)作家には普通の人間の感覚が一番大事だと思っているんです。特殊な専門知識を知っているより,何万人もの庶民と近い好みや嗜好を持っている方が,漫画には役立つ。(福本 p196)
貧乏旅行って意味なくないか?と気づいたんです。出費をできるだけケチッて,ろくに働かず,日本人同士で固まって,ただ年数と出入国のスタンプを重ねるだけの旅って,もしかして大きな人生の無駄なんじゃないかと。(福本 p201)
来る仕事を断るのは,落ちている金を拾わないのと同じことだと思う。(福本 p202)
成功できないとしたら,それはトライし続けていないんだよ。(福本 p204)
こう指せば必ず詰めるという将棋しか,指そうとしていない。でも人生って絶対,詰将棋なんかじゃない。よめるのはせいぜい3手先ぐらいじゃないの。手が悪くても必ず盛り返せる。そういう先の手の可能性に,楽しみを見出さなきゃ。(福本 p205)
100打数1安打でもいいの。その1打が,人生をひっくり返す幸福になる可能性はある。でも,打席に立たないと,ヒットは永遠に出ないから。(福本 p206)
痛い目を見ないと,勝ち方も覚えられない。俺たちは普通の人より,さんざん痛い目を見て学んだ方でしょう。(福本 p206)
自分自身の実感で言うと,成功してないやつにも,俺の何倍も頑張っている人はいると思うんだ。(中略)その人が頑張っているという事実だけは,否定できるものじゃないでしょう。(福本 p208)
音楽の世界は,ひとりの傑出した才能を,それほどありがたがってない気もするんだ。バンドで成功したメンバーがソロでデビューしても,バンドの時より売れた例はあまりないでしょ。AKB48の前田敦子や大島優子はすごい人気だけど,グループを辞めたら,たぶんダメでしょ。ダメというか,グループ時代の価値はなくなる。確実にAKBの中にいることが追い風になっている。桑田佳祐はたしかに才能あるけど,ソロ活動がベストパフォーマンスだとは言えないじゃない。やっぱり彼はサザンオールスターズにいるときに,最大限の才能を発揮できていると思う。(福本 p213)
2017年8月9日水曜日
2017.08.09 堀江貴文 『ゼロ』
書名 ゼロ
著者 堀江貴文
発行所 ダイヤモンド社
発行年月日 2013.10.31
価格(税別) 1,400円
● 「なにもない自分に小さなイチを足していく」が副題。
● 出所後の初出版が本書。これまで逡巡なく社会や一般人を斬る的なもの言いをしていたのが,本書ではわりと内省的になっているという印象。それはそうだ。
ただし,内省的といっても,悔い改めるとか,これまでの過去をリセットして新規まき直しで頑張るとか,そういうことではない。
● 以下にいくつかを転載。
たしかに仕事をすることなんだよね。大人になったら,仕事を価値の第一順位に置けないといけない。ぼくは最後までそれができなかったんだけど。
仕事を“部活のノリ”でできる人は最強だと思う。どんな仕事だって,さほど深刻がるほどのものではないのだ。
著者 堀江貴文
発行所 ダイヤモンド社
発行年月日 2013.10.31
価格(税別) 1,400円
● 「なにもない自分に小さなイチを足していく」が副題。
● 出所後の初出版が本書。これまで逡巡なく社会や一般人を斬る的なもの言いをしていたのが,本書ではわりと内省的になっているという印象。それはそうだ。
ただし,内省的といっても,悔い改めるとか,これまでの過去をリセットして新規まき直しで頑張るとか,そういうことではない。
● 以下にいくつかを転載。
隠すことでもないだろう。僕は無類の寂しがり屋だ。(中略)これまでの人生で,「ひとりになりたい」と思ったことがないのだ。(中略)働いていれば,ひとりにならずにすむ。働いていれば,誰かとつながり,社会とつながることができる。(p25)
ゼロになることは,みんなが思っているほど怖いものではない。失敗して失うものなんて,たかが知れている。なによりも危険なのは,失うことを怖れるあまり,一歩も前に踏み出せなくなることだ。(p30)
どんなにたくさん勉強したところで,どんなにたくさんの本を読んだところで,人は変わらない。自分を変え,周囲を動かし,自由を手に入れるための唯一の手段、それは「働くこと」なのだ。(p33)ぼくも今ならそれがわかる。勉強とか読書というのは,学者先生がするものならいざ知らず,ぼくらがやる勉強や読書というのは,極端に言ってしまえば暇つぶしの域を出ないものだ。消費のひとつだ。
たしかに仕事をすることなんだよね。大人になったら,仕事を価値の第一順位に置けないといけない。ぼくは最後までそれができなかったんだけど。
僕にとってなによりも大きかったのは,自分の能力を生かし,自分が大好きなプログラミングを通じて誰かを助け,しかも報酬まで得ることができた,という事実だ。(中略)そうか,働くってこういうことなんだ(p67)
たしかに附設中には頭のいい生徒が大勢いた。小学校時代,あれだけトップを独走していた僕が,逆立ちしても敵わないような生徒たちだ。しかし,彼らと一緒にいることで刺激される部分があったかというと,決してそうではない。(p69)
歯を食いしばって努力したところで大した成果は得られない。努力するのではなく,その作業に「ハマる」こと。なにもかも忘れるくらいに没頭すること。(p76)これまた激しく同意。そのとおりだと思う。
ようやく女の子と普通に接することができるようになったのは,30代の中盤になってからのこと。情けない話だが,これは事実である。(中略)じゃあ,対人関係全般を苦手としていたのかというと,それは違う。(中略)いまとなっては,よくわかる。結局これは,女の子を前にしたときの「自信」の問題なのだ。そして僕には,自信を形成するための「経験」が圧倒的に不足していたのだ。(p92)
誘われるがままに乗ってみたヒッチハイクは,どうだったか? 最高だった。(中略)10台に声をかければ1台は乗せてくれる。どんな不運が続いても,30台に声をかければ確実だ。(中略)好きなときに,好きな場所に,1円も使わずに出かけられるフリーパスチケット。財布が空でも勇気ひとつでどこにでも行ける圧倒的な自由。(p96)
チャンスとは,あらゆる人の前に流れてくる。(中略)ぼくはこの「チャンスに飛びつく力」のことを,向上心とか目的意識とか,そんな堅苦しい言葉で飾りたくはない。もっとシンプルな,人としての「ノリのよさ」だと思っている。(p100)先の「ハマる」ことと「ノリのよさ」は親戚かもしれない。非常に近い関係にある。「ノリのよさ」を持たない人は「ハマる」こともできないだろう。そのとおり。ぼくはできなかった。
仕事を“部活のノリ”でできる人は最強だと思う。どんな仕事だって,さほど深刻がるほどのものではないのだ。
チャンスの見極め方がわからない?(中略)僕に言わせると,その発想がすでに「ノリの悪さ」を表している。チャンスを見極める目なんて,必要ないのだ。少しでもおもしろいと思ったら,躊躇せずに飛び込む。(p101)
起業して数年の間は,私生活のすべてを捨てた。友達とも連絡を取らず,もちろん大学に行くことも,飲みに行くこともない。会社にベッドを置いて,毎日のように泊まり込む生活だ。誇張でもなんでもなく,睡眠以外の時間はすべて仕事に充てていた。(p110)
いまも昔も,ぼくはお金がほしくて働いているわけではない。自分個人の金銭的な欲望を満たすために働いているわけではない。そんな程度のモチベーションだったら,ここまで忙しく働けないだろう。(p117)
やりがいとは「見つける」ものではなく,自分の手で「つくる」ものだ。そして,そんな仕事であっても,そこのやりがいを見出すことはできるのだ。(中略)マニュアル(前例)どおりにこなすのではなく,もっとうまくできる方法はないかと自分の頭で考える。仮説を立て,実践し,試行錯誤を繰り返す。そんな能動的なプロセスの中で,与えられた仕事は「つくり出す仕事」に変わっていくのだ。(p123)
人はなにかに「没頭」することができたとき,その対象を好きになることができる。(中略)ここで大切なのは順番だ。人は「仕事が好きだから,営業に没頭する」のではない。順番は逆で,「営業に没頭したから,仕事が好きになる」のだ。(中略)つまり,仕事が嫌いだと思っている人は,ただの経験不足なのだ。(p128)
どうすれば没頭することができるのか? 僕の経験から言えるのは,「自分の手でルールをつくること」である。(中略)ルールづくりのポイントは,とにかく「遠くを見ないこと」に尽きる。(p129)
やってもいないうちから「できっこない」と決めつける。自分の可能性にフタをして,物事を悲観的に考える。自分の周りに「できっこない」の塀を築き,周囲の風景を見えなくさせる。だからこそ,次第に「やりたいこと」まで浮かんでこなくなるのだ。(p133)
お金を使って信用を買うことはむずかしい。(p146)
仕事や人生においてラクをすること。それは,掛け算を使うということだ。5+5で10の成果を出すのではなく,5×5で25の成果を出す。(中略)しかし,人は誰しもゼロの状態からスタートする。そしてゼロの自分にいくら掛け算をしても,出てくる答えはゼロのままだ。(中略)掛け算を覚える前に,足し算を覚えよう。他者の力を利用する前に,自分の地力を底上げしよう。(p152)
僕は一度その対象にハマり込んでしまうと,異常なほどに没入してしまう。(中略)なぜそこまでハマるのか,昔は不思議でたまらなかった。でも,おそらくこれは,僕なりの生存戦略だったのだ。なにかに没入することで,死を遠ざける。死について考える時間を,可能な限り減らしていく。(p205)
ネガティブなことを考える人は,ヒマなのだ。(p206)
営業マンの無駄話に付き合わされているとき,あなたは「他人の時間」を生きている。大好きな仲間と飲みにいくとき,あなたは「自分の時間」を生きている。与えられた仕事をやらされているとき,あなたは「他人の時間」を生きている。自ら生み出す仕事に臨んでいるとき,あなたは「自分の時間」を生きている。(p208)
「飽きっぽさ」と「惚れっぽさ」はコインの裏表のような関係にある。すぐに飽きる人は,別のなにかにすぐ惚れる。好奇心むき出しで,さまざまなジャンルにチャレンジできる。(p215)
将来について不安を抱いたり,将来を悲観したことは一度としてない。それは僕がテクノロジーの力を信じているからだ。(p218)
情報を得ることは,未来を知ることである。だからこそ,情報弱者と情報強者の間では,「未来を見る力」に決定的な差が生まれてしまう。情報に鈍感な人が損をするのは当然のことなのだ。(p219)
ツイッターでも,自分と意見の合わない有識者を一定数フォローすること。そして常に自分の頭で情報を精査し,その先にある未来を見極めていこう。(p220)
2017年8月7日月曜日
2017.08.07 堀江貴文 『堀江貴文の言葉』
書名 堀江貴文の言葉
著者 堀江貴文
発行所 宝島社
発行年月日 2013.05.31
価格(税別) 1,429円
● ライヴドア事件で収監されて,これでホリエモンは終わりと多くの人が思ったに違いないが,凡人たちの予想は完全に裏切られ,ライヴドアとはまったく違った分野で復活。
堀江さんの言っていることや言いっぷりには毀誉褒貶があるだろうけれども,本人はそんなことはまるで気にしていない。そこはじつにどうも大したものだ。
● この本じたい,堀江さんの既刊本から編んだもの。そこからさらに転載するのは愚の骨頂だろうけど,以下にいくつか転載。
が,どうせ誰と付き合っても飽きるんだから,飽きたあとは,相手がよほど性悪じゃなければいいじゃないか,と思う。
どこかでその諦観を形にした方が楽だと思うが,そういう楽を忌避するのが堀江さんの堀江さんたる所以か。
著者 堀江貴文
発行所 宝島社
発行年月日 2013.05.31
価格(税別) 1,429円
● ライヴドア事件で収監されて,これでホリエモンは終わりと多くの人が思ったに違いないが,凡人たちの予想は完全に裏切られ,ライヴドアとはまったく違った分野で復活。
堀江さんの言っていることや言いっぷりには毀誉褒貶があるだろうけれども,本人はそんなことはまるで気にしていない。そこはじつにどうも大したものだ。
● この本じたい,堀江さんの既刊本から編んだもの。そこからさらに転載するのは愚の骨頂だろうけど,以下にいくつか転載。
私は,不安というのは,考えた時点で負けだと思っている。(p2)
僕の役割はおそらく夢を見せることだろうと思っているんです。(p9)
皮膚感覚で嫌なものは,絶対に断るべきだ。(p13)
同じ状態をとどめるためには,ものすごくエネルギーが必要だ(p23)
覚悟を決めた個人は国家よりも強い。(p32)
車を買うにしても,私は基本的に中古車しか買わないようにしている。車というのは,一度乗っただけで,3割価値が下がるといわれている。それほど新車と中古車の価格は違うのだ。だったら,中古車でいい。(p37)これは生活知としても要注目。大衆は新車にこだわる。うちの相方なんかその典型。車もパソコンも中古でいいとぼくも思ってる。パソコンは自分の自由になるので,ずっと中古を使っている。
農林水産業以外の仕事はみな娯楽なのだ。(p74)
人生は短く,そして新しく思いついたビジネスの旬もあっという間です。(p82)
控え目で議論を好まない人とは一緒に働いていても楽しくない。(p106)あ,自分はその楽しくない人間の典型だ。なぜ控えめかというと,人とわずかな軋轢を起こすのもイヤだ(面倒だ)からで,なぜそれがイヤなのかといえば,対人恐怖があるからだと思う。自分以外の人間が怖いっていう。これはたぶん,治せないものだと思っている。
プライドなんて屁のツッパリにもならない。相手が自分のことをどう思っているかなんていちち気にしていたら,何も前進しない。(p107)
僕の場合,どんな女の子でも長く付き合って3年です。(中略)どうしてかといえば,理由は簡単で,飽きちゃうんです。(p112)3年ももつんだったら,飽きやすいとは言えない。誰だって3年も付き合えば飽きる。これは避けがたい。
が,どうせ誰と付き合っても飽きるんだから,飽きたあとは,相手がよほど性悪じゃなければいいじゃないか,と思う。
どこかでその諦観を形にした方が楽だと思うが,そういう楽を忌避するのが堀江さんの堀江さんたる所以か。
人と同じことをするのは,一番損をすることなのだ。人と違うことをするからこそ,超過利潤が生まれるのであって,同じことをしていたら一番高いものを買わされるだけである。(p117)
刑務所にいる人たちって極悪非道でも,変わった人でもなくて,普通の人なんです。(p126)
知識というものは,リッチな環境にいたらよりリッチになる。子ども時代はもっといい環境であってほしかった。(p131)
先生や親は彼らを教育した人の思想を受け継いでいる。そのため,時代からワンクール古いのだ。(0135)
人間の恐怖の大半は,情報不足が原因だ。(p138)
僕がブログを書くのは,自分の中でその問題を消化するための作業なんです。ただ,スクラップブックに新聞記事を貼り付けたって,理解には全然つながらない。(p146)
いまある大使館や公使館も維持する必要はない。信用できる日系企業の海外支社に委託すれば,事足りるはずだ。(p166)
ソーシャルメディアとスマートフォンは,革命的なのである。このコラボから導き出される「答え」は,現時点では最も正解に近い近似値をはじき出す。(p180)
2017年8月6日日曜日
2017.08.06 宮田珠己 『日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。』
書名 日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。
著者 宮田珠己
発行所 淡交社
発行年月日 2015.07.21
価格(税別) 1,600円
● 暫定世界遺産のひとつに栃木県の足尾も入っている。その足尾にも宮田さんは足を運んでいて,足尾について所感を述べている。まず,そこを読んでみたかった。
今は本書を読んだんだから,そのうえでもう一度足尾を訪れて(できれば自転車がいい),本書に出てくるあれやこれやを見ておきたい。
● 他にいくつか転載。
著者 宮田珠己
発行所 淡交社
発行年月日 2015.07.21
価格(税別) 1,600円
● 暫定世界遺産のひとつに栃木県の足尾も入っている。その足尾にも宮田さんは足を運んでいて,足尾について所感を述べている。まず,そこを読んでみたかった。
今では,市やNPO法人が連携して植林を行い,ニセアカシアやヤシャブシの森が再生しつつあるそうだ。といっても未だ木の間隔はまばらであり,本当に森が回復するのは,それらが倒れて土となる未来,それこそ何百年も先のことでしょう,と星野さんは言った。(p89)
もし仮に、トロッコ列車や鉄索が今も残っていれば,結構見応えがあったんじゃないだろうか。私の頭の中では,足尾はもう,いろんな乗り物のレールが張り巡らされた,映画の中の未来都市みたいなイメージである。(p92)● もちろん,ぼくも足尾には何度か行ったことがあるんだけど,たんに行ったことがあるというに過ぎないな,何も見てしなかったな,と思わされた。
今は本書を読んだんだから,そのうえでもう一度足尾を訪れて(できれば自転車がいい),本書に出てくるあれやこれやを見ておきたい。
● 他にいくつか転載。
私は関西生まれだから知っているが,若狭は海もきれいだし,神社仏閣など見どころも多い。それなのに,みんな京都に目がくらんで,若狭を素通りしているのは実にもったいないことである。(p37)
列車も車も景色は同じじゃないかと思うものの,やっぱり鉄道に乗りたかった。同じ景色でも列車から見るほうが,数倍いい気がする。(p85)
堰堤の上流側に湿原が広がっており,その景色が雄大で,目を奪われた。ちょっとした尾瀬のような味わいがある。(p88)
縄文土器は,単に文様がたくさん付いているというだけでなく,その曲線がとても美しい。(p153)
世界遺産登録の条件として,当時のままに残されている,もしくは正しく復元されているかどうかが重視されるため,縄文遺跡は元の姿がはっきりわからない点が悩ましいところだ。(中略)だからといって,発掘跡の穴ぼこを保存しただけでは,見る人の心に訴えにくいという問題もあり,その両立はどの遺跡でも苦心しているようだった。(p160)
2017年8月2日水曜日
2017.08.02 ブング・ジャム 『筆箱採集帳 増補・新装版』
書名 筆箱採集帳 増補・新装版
著者 ブング・ジャム
写真 鈴木省一
発行所 廣済堂出版
発行年月日 2014.10.20
価格(税別) 1,500円
● ブングジャムとは,きだてたく,他故壁氏,高畑正幸の3人組。この世界ではいずれも有名な人たち。写真は鈴木省一さんが担当。
● 年齢,職業を問わず,いろんな人に,筆箱見せてとお願いして,それについてブングジャムの3人が語っていくという内容。
増補・新装版ではない,以前の『筆箱採集帳』も読んでいる。というか,見ている。
● 以下に,いくつかの筆箱について高畑正幸文具王が語っているところを転載。
自分が使っている「ごく普通の日用品」にそうした説得力を与えてやりたい。文具を選ぶんじゃなくて,何気に手に取ったモノ,人からもらったモノを,ガシガシ使っていって,傷だらけになったそのモノが自ずから帯びる説得力。
そういうモノに囲まれたいんですよ。使いこまれたモンブランのたたずまいも美しいと思うんだけど,同じように使いこまれて,セロテープを巻かれ満身創痍になったPreppyも同じように美しいんですよ。
著者 ブング・ジャム
写真 鈴木省一
発行所 廣済堂出版
発行年月日 2014.10.20
価格(税別) 1,500円
● ブングジャムとは,きだてたく,他故壁氏,高畑正幸の3人組。この世界ではいずれも有名な人たち。写真は鈴木省一さんが担当。
● 年齢,職業を問わず,いろんな人に,筆箱見せてとお願いして,それについてブングジャムの3人が語っていくという内容。
増補・新装版ではない,以前の『筆箱採集帳』も読んでいる。というか,見ている。
● 以下に,いくつかの筆箱について高畑正幸文具王が語っているところを転載。
小学生漢字王・小林逸人さんの筆箱 鉛筆・消しゴム・定規,小学生の筆箱であることは間違いないが,そこからは物に対する執着をほとんど感じない。おそらく彼にとって鉛筆は鉛筆でしかない。しかし同時に,(中略)ただひたすらに内なる知的探求にのめり込んだ人たちに共通する匂いのようなもの,本質的な何かに強烈な指向性を持つ人たちに特有のベクトルを感じる。(p40)
専門学生・山口冬馬さんの筆箱 大切に使われるべくして生まれたものが使い込まれて風格を持つケースは,紳士の道具にはよく見られることだが,ごく普通の日用品が酷使され続けた結果,持つに至った説得力にもまた,前者とは異なる魅力がある。無関心な信頼の集積が,層を成す漆のように深みを持ち,いつしか魂を持ち始める。(p79)● そうそうそう,これなんですよ。「ごく普通の日用品が酷使され続けた結果,持つに至った説得力」っていうやつ。
自分が使っている「ごく普通の日用品」にそうした説得力を与えてやりたい。文具を選ぶんじゃなくて,何気に手に取ったモノ,人からもらったモノを,ガシガシ使っていって,傷だらけになったそのモノが自ずから帯びる説得力。
そういうモノに囲まれたいんですよ。使いこまれたモンブランのたたずまいも美しいと思うんだけど,同じように使いこまれて,セロテープを巻かれ満身創痍になったPreppyも同じように美しいんですよ。
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