著者 堀江貴文
発行所 徳間書店
発行年月日 2010.10.31
価格(税別) 1,200円
● この本で最も強調されているのは,少数派であれということだろう。人と同じことをするなということ。
誰もが食べているものを食べ,誰もが見ているテレビ番組を見,先生の言うことや世間の常識に合わせようとし,人とは仲良くしなければならないと思い,成功するためには苦労しなければいけないと考える。そういうことではダメだ,と。
● そこから脱するためにはどうすればいいのか。それはわからない。ひょっとしたら,そのあたりをどう考えるかは性格に依存するかもしれない。とすれば,生まれたときに決まっているかもしれない。
若いときに人のしないような経験をする機会があるかどうかによるのかもしれない。だとすれば,それは偶然で決まることになる。
自分で意識して変える努力をできるようになるには,ある程度の経験を積んでからになるのが普通かも。だから普通ではダメなんだと言われてもなぁ。
● もしかしたら,多くの人が少数派になれないでいるのは,いい年になったら結婚して子どもをもうけなければいけないと思っているからではないか。家庭を持たなければならないと考えているところにあるのではなかろうか。
とすると,それは神様の計らいということになるのではないか。
● 以下に少し多すぎるかもしれない転載。
独立を一度でも経験しておくと、ビジネススキルが飛躍的にアップする。(中略)具体的にはお金の流れが把握できる。(p11)
思考停止を阻む訓練として,今のトレンドでいえばツイッターを活用するのは悪くないと思う。文章を書くという行為は脳を活性化させる。ツイッターの140字で感情を伝えるためには,いろいろな表現を使わなくちゃいけないから,自然と思考力は豊かになる。(p17)ぼくもツイッターを始めたんだけど。思考力は豊かになっているかなぁ。どうなんだろうなぁ。
君のようなタイプは,きっと摩擦が苦手なんだ。議論もしなければ,悪口からもすっと遠ざかる。たぶん勉強も運動もそこそこできたはず。(中略)でも,そういう「そこそこ」の人が,いま最も損をしている。ビジネスにおいても,私生活でもだ。(p19)ぼくはその「そこそこ」の人だ。摩擦が苦手だし,議論もしない。議論で解決する問題などほとんどないと思っている。だから議論なんて時間のムダだと心得ている。
食生活の均質化は,思考を停止させる可能性をはらんでいる。(p24)
テレビの薄味化は,どんどん進行していくはずだ。この高度情報化社会で生き残りたいと願っているなら,薄味のものから意識的に遠ざかるべきだろう。(p28)
世の中の清浄化・無菌化の潮流は,急速に進んでいる。社会が成熟していく過程で,違法行為が少なくなればなるほど,権力側は自らの存在意義を維持するために,これまでは問題視されなかった瑣末な違反も取り締まりの対象としていく。(p30)本当にそうだと思う。数年前に行くところまで行ったんじゃないかと思った。反動が来るんじゃないかと考えた。
が,ぜんぜん。果てしがない。「世の中の清浄化・無菌化の潮流」は,別の言い方をすると,世の中の女性化でもある。平和と繁栄の産物だから,なかなかとどめることはできない。
君は,部屋が本で埋もれて,積み上げたら山になると,まるで自慢のように語る読書好きのようだ。君に訊きたい。書物の山は,本当に必要な情報をもたらしてくれたか? その山を征服している間に,現在のスピードに乗り遅れてはいないか?(p39)
自分が個人として保険に加入する気は,さらさらない。あんな時代遅れで,金を払うリスクだけしかない制度が,どうして自然に受け入れられているのか。僕には理解できない。(p45)
アップルだとかマイクロソフトだとか,あのレベルの起業を目指すことは,体力的にも気力的にもきっとできる。ただ(中略)他にいくらでもあるやりたいことを犠牲にして,60歳になった時に社員10万人の企業の社長ぐらいで収まっていたくない。正直,世界企業のトップの役職に就いたところで「その程度の人生なの?」と思う。(p49)
この世に君のことを好きと言ってくれる女性が,ひとりもいないなんてことはあり得ない。男女のマッチングの幅の広さを信じるべきだ。(p53)
彼(梨本勝)は最新のITを駆使してビジネスを展開していた。入院してからも,病院の許可を得て携帯電話とPCを持ち込み,ツイッターで自身の病状をレポート。さらには,タレントの記者会見現場と病室をUstreamで結び,遠隔で取材する,なんていうことまで本気でやろうとしていた。65歳の抗ガン剤を受ける身で,だ。(p58)
耐えること,苦労することが成功への道だという固定観念を解くべきだ。誰に言われたことか知らないが,つまらない苦労や忍耐が折り重なって,身動きを縛っているような気がしてならない。(p61)
僕は賭けにも,恋愛にも,常に限界はないと思っている。「ここを逃したら後はない」という発想は,もっと先にあるはずの限界を,自ら近くに引き寄せてしまっているのだ。(p63)
いまどき料理が不得意なんて,あり得ない。(中略)君は,これらすべてを「面倒臭い」と片づけてしまうかもしれない。もしそうなら,残念だ。「面倒臭い」は,思考停止をした人間の,自覚のない敗北宣言だ。面倒臭がり屋に,アドバイスできることは何もない。(p65)「面倒臭い」はたしかに最悪。が,しばしばその思いにとらわれる。縁なき衆生は度しがたし。ここは踏んばるしかないねぇ。
出どころはよくわからないけれど強い自信を持っている者に,人は不思議と信頼を寄せてしまうものだ。(p81)
後追いで動いている人は,損をして当たり前だ。(p83)
無知の者は,宝くじを買って大金持ちの夢を見たりする。あれほどバカげた行為はない。(中略)宝くじにかけるお金は,無知への税金だと考えた方がいい。(p86)
自分の知らない世界の人たちと交わって,ビジネスチャンスを拡げたいなら,ブログやツイッターの方がよっぽど効果的だ、(中略)数々の異業種交流会に招かれた僕が断言する。あんなところに出入りする人間に,未来をつかむ才能を持った人間はゼロだ。(p92)そうなんだろうな。異業種交流会に惹かれてしまう時点でちょっとダメだろうな。その他大勢の一人になっているわけだから。意識高い系も同じ。
みんな無駄なものにお金を使いすぎるんだ。ちょっと考えたら安くあげられる物に,わざわざ大金を払おうとする。それが粋だとでも思っているのだろうか? 僕はほとんど,物を買い替えたりしない。(中略)パソコンは6年前に買ったVAIOをそのまま愛用している。(p116)このあたりはぼくも同じなんだけどなぁ。
逆境は我慢と,あがくことでしか乗り越えられないことを知っている。(p168)
旅先では,見ず知らずの人から受ける優しさが,本当にありがたかった。それに感激して,「日本に帰ったら,もっと他人に優しい自分になるんだ!」と心に誓うんだけど,帰国すると一週間もたたないうちに,他人に優しいどころか,ろくに挨拶もできないダメな自分に戻っちゃう。(福本伸行 p187)
追い詰められたところで意外な能力を発揮するのって,実はそんなにたいしたことじゃないと思うんです。普段,どれだけのことが,当たり前にできるかっていうのが大事なわけで。(福本 p188)
マイノリティに賭けなければ,本当の勝利はありません。マジョリティに属していたら負け。これはビジネスの鉄則だと思うんです。(p194)
必ずしもたくさんの経験が良い創作を支えるわけじゃない。(中略)作家には普通の人間の感覚が一番大事だと思っているんです。特殊な専門知識を知っているより,何万人もの庶民と近い好みや嗜好を持っている方が,漫画には役立つ。(福本 p196)
貧乏旅行って意味なくないか?と気づいたんです。出費をできるだけケチッて,ろくに働かず,日本人同士で固まって,ただ年数と出入国のスタンプを重ねるだけの旅って,もしかして大きな人生の無駄なんじゃないかと。(福本 p201)
来る仕事を断るのは,落ちている金を拾わないのと同じことだと思う。(福本 p202)
成功できないとしたら,それはトライし続けていないんだよ。(福本 p204)
こう指せば必ず詰めるという将棋しか,指そうとしていない。でも人生って絶対,詰将棋なんかじゃない。よめるのはせいぜい3手先ぐらいじゃないの。手が悪くても必ず盛り返せる。そういう先の手の可能性に,楽しみを見出さなきゃ。(福本 p205)
100打数1安打でもいいの。その1打が,人生をひっくり返す幸福になる可能性はある。でも,打席に立たないと,ヒットは永遠に出ないから。(福本 p206)
痛い目を見ないと,勝ち方も覚えられない。俺たちは普通の人より,さんざん痛い目を見て学んだ方でしょう。(福本 p206)
自分自身の実感で言うと,成功してないやつにも,俺の何倍も頑張っている人はいると思うんだ。(中略)その人が頑張っているという事実だけは,否定できるものじゃないでしょう。(福本 p208)
音楽の世界は,ひとりの傑出した才能を,それほどありがたがってない気もするんだ。バンドで成功したメンバーがソロでデビューしても,バンドの時より売れた例はあまりないでしょ。AKB48の前田敦子や大島優子はすごい人気だけど,グループを辞めたら,たぶんダメでしょ。ダメというか,グループ時代の価値はなくなる。確実にAKBの中にいることが追い風になっている。桑田佳祐はたしかに才能あるけど,ソロ活動がベストパフォーマンスだとは言えないじゃない。やっぱり彼はサザンオールスターズにいるときに,最大限の才能を発揮できていると思う。(福本 p213)
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