著者 宮田珠己
発行所 淡交社
発行年月日 2015.07.21
価格(税別) 1,600円
● 暫定世界遺産のひとつに栃木県の足尾も入っている。その足尾にも宮田さんは足を運んでいて,足尾について所感を述べている。まず,そこを読んでみたかった。
今では,市やNPO法人が連携して植林を行い,ニセアカシアやヤシャブシの森が再生しつつあるそうだ。といっても未だ木の間隔はまばらであり,本当に森が回復するのは,それらが倒れて土となる未来,それこそ何百年も先のことでしょう,と星野さんは言った。(p89)
もし仮に、トロッコ列車や鉄索が今も残っていれば,結構見応えがあったんじゃないだろうか。私の頭の中では,足尾はもう,いろんな乗り物のレールが張り巡らされた,映画の中の未来都市みたいなイメージである。(p92)● もちろん,ぼくも足尾には何度か行ったことがあるんだけど,たんに行ったことがあるというに過ぎないな,何も見てしなかったな,と思わされた。
今は本書を読んだんだから,そのうえでもう一度足尾を訪れて(できれば自転車がいい),本書に出てくるあれやこれやを見ておきたい。
● 他にいくつか転載。
私は関西生まれだから知っているが,若狭は海もきれいだし,神社仏閣など見どころも多い。それなのに,みんな京都に目がくらんで,若狭を素通りしているのは実にもったいないことである。(p37)
列車も車も景色は同じじゃないかと思うものの,やっぱり鉄道に乗りたかった。同じ景色でも列車から見るほうが,数倍いい気がする。(p85)
堰堤の上流側に湿原が広がっており,その景色が雄大で,目を奪われた。ちょっとした尾瀬のような味わいがある。(p88)
縄文土器は,単に文様がたくさん付いているというだけでなく,その曲線がとても美しい。(p153)
世界遺産登録の条件として,当時のままに残されている,もしくは正しく復元されているかどうかが重視されるため,縄文遺跡は元の姿がはっきりわからない点が悩ましいところだ。(中略)だからといって,発掘跡の穴ぼこを保存しただけでは,見る人の心に訴えにくいという問題もあり,その両立はどの遺跡でも苦心しているようだった。(p160)
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