著者 和田秀樹
発行所 新講社
発行年月日 2007.03.01
価格(税別) 1,300円
● 和田さんが書くんだから,ひと頃流行った風水の解説ではあるまいと思って読んだ。いや,本書が刊行された頃は,けっこう流行ってましたかね,風水。
まず風水ありきで,それに合わせようとするのは,はっきり愚かの域を出ないものでしょ。西に黄色で金運アップなんてのは罪がないからいいけれども,風水グッズを集めると,それ自体が貧乏くさくなる。貧乏くさいんだから,貧乏を読んでしまうんじゃないかと,余計な心配をしたくなる。
● 風水の極意は掃除という説もあって,これはわかる。単純に,片づいていれば気持ちがいいから。
風水云々は別にして,掃除をしましょう,特に玄関をね,というのが本書の説くところ。いわば,掃除の効用が述べられている。
● 以下にいくつか転載。
人間というのは自分が幸運だと考えられれば,ものの見方が楽観的になり,行動も積極的になり,そのため幸せの好循環が起こるとみなされていることです。逆に自分は不幸だと考えていると,悲観的にしか物事を受け止められないため,行動も消極的になり,不幸に感じられることばかり経験してしまうことが起こるのです。(p4)
仕事でもそうですが,ほんとうのくつろぎは,やるべきことをやったあとにしか生まれてきません。緊張感のない人には,ほんとうのくつろぎも訪れないのです。(p69)
こころを掃除するのはむずかしくても部屋を掃除することはできます。モヤモヤした気持ちのままでもとにかく体を動かして,身の回りをすっきりとっせればいいのです。それができたときには,こころももうすっきりとしています。掃除の持つこういった効果は,おそらくわたしたちは経験的に学んできたことです。こころの修行を日々の勤めとした禅宗が,掃除を大切なものと考えたのも頷けます。(p71)
やましさ,後ろめたさがあるときは,わたしたちはこころのドアを開きません。開いてもほんの少しで,カメのように甲羅から首だけ出して相手と向き合おうとします。(p77)
片づけの目的はものを置かないスペースをつくることです。そのスペースを活用することではなく,何もない空間をつくることだと考えてください。(p89)
占いや運勢といった,自分の力の及ばない世界を信じるのは,自分に自信がなく,世の中を論理的・現実的に眺める力が弱くなっている人が増えているせいです。(p93)
家相に詳しい人から聞いた話なのですが,たしかに家相には先人の知恵が詰まっているし実感的に頷けるものも多いのですが,それはすべて,健康的に,気持ちよく暮らすための知恵であって,「最初に家相あり」と解釈するとおかしなことになるそうです。(p99)
家の中が雑然としている人は,「捨てる」ことの下手な人です。そして「捨てる」ことの下手な人に共通する心理は,自己肯定がなかなかできないということです。(p112)
必要なものを揃えるのではなく,好きなものだけ置いておく。そんな小さな決心が,どれほどシンプルな暮らしを作ってくれるか,想像してみましょう。(p113)
こころは明快な世界が好きだし,安心するということです。わたしたちは不安定な状態や複雑なもの,理由のわからないこと,違和感を覚えること,隠れて見えないものなどに対して,気持ちのざわめきを感じます。安心できないのです。散らかった部屋はまさに,そういった状態になります。(p114)
暮らしを慈しむゆとりのない毎日は,日々,疲労感だけを蓄積させます。働きづくめの男たちは元気を失って当然なのです。(p127)
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