著者 松浦弥太郎
発行所 KADOKAWA
発行年月日 2017.04.21
価格(税別) 1,400円
● パスタ料理がいくつか出てくる。ぼくは市販の乾麺を茹でて,これまた市販のレトルトのミートソースを温めてかければ,充分以上に旨いと思っている。だから,そうしている。
さすがに麺から作るわけではないけれども,ソースを手作りする著者と,レトルトですませるぼく。基本の姿勢が違うということ。
● 以下にいくつか転載。
おいしいものほどレシピはシンプルなのだ。(p47)
「どうして毎日こんなに熱心にディスプレイをしているのですか」と聞くと,おじさんは「働くことを自分がこんなに楽しんでいるってことを,お客さんに伝えたいんだよ。新鮮な食材を売るだけではつまらない。とにかく,人というのは,楽しんでいる人のところに集まるものだと祖父に教わったんだ。(中略)」と答えた。(p120)
朝,手作りのジャムがテーブルにいくつも並んでいる光景をぼんやり見て,ああ,なんてささやかな,しあわせなのだろうと思う。そして,たったそれだけのことだけれど,そのジャムが手作りであるという贅沢を思い知る。(p155)
料理のおいしさとは,口に入れた時は,それが何味なのかわからないくらいの淡さがよくて,鼻や舌や喉の感覚を使って,自分のちからで味を探して,それを見つけた時が「おいしい」ということであると聞いたことがある。(p157)
それは料理する人の心持ちで変わるように思う。食べている時においしいものを作ろうとするか,食べ終わってからの後味がよいものを作ろうとするかの違いである。または,空腹を満たすだけのものか,心を満たすものにするかとの違いである。(p158)
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