著者 和田秀樹
発行所 マガジンハウス
発行年月日 2018.11.29
価格(税別) 900円
● 自分を信じていない人の特徴は,周りに合わせてしまうこと。しかし,他人をも信じられないこと。結局,何でも1人で抱えてしまう。結果,辛くなる。
自分は典型的にこれに該当すると思った。というか,日本人の多くはそうなのではないか。自ら辛い渡世に飛び込んでいるようなものだ。
ではどうするか。それは本書を読んでいただきたい。
● でもあれですよ。日本人の多くが辛い渡世を呼び込んでいるのは,個人が自分を信じていないということよりも,“日本というシステム”の問題の方が大きいんじゃないですかねぇ。ケッセラッセラー,なるようになるさぁ♪♪・・・・で,よろしいのでは。
● 以下に転載。
幸せに生きるためには,自分を信じればいい。わたし自身,そのことに気づくまでに長い時間がかかりました。いまは,その大切さと必要性を痛感しています。(p6)
自分を信じない人は,自分の感覚を信じることができません。だから,何か絶対的なものを信じようとします。みんなが評価しているもの,みんなが「いいね」と支持しているもののほうが安心できるのです。(p34)
自分の感覚を信じる人は,他人の感覚を否定しません。「あの人にはあの人の好みがあるんだから」とあっさり認めています。考え方も同じですね。(中略)ところがそういう態度を「すぐブレる」と軽蔑する人がいます。(中略)わたしが不思議に思うのは,「ブレない」ことが長所や美徳だと考える人がいまだに多いということです。(p39)
ラインのようなSNSの世界にはいつの間にかグループから消えている人がいます。少しも珍しくありません。そういう人は仲間外れにされたのではありません。みんなの感覚より自分の感覚を信じようという気持ちになった人です。(中略)あなたをわかってくれるのは,むしろそういう人たちではないでしょうか。(p43)
他人の気持ちは他人が決めることです。「どう思われるか」はいくら考えてもわかりません。自分が「こうしたい」と思ったことは素直な願望です。自分の感情ですから,はっきりしています。こちらは信じていいのです。つまり自分を損じるというのは,いちばんはっきりしているもにに従うということです。(p57)
本人が意識するほど周囲はその人を見ているでしょうか。残念ながら,見ていません。「いちいち人のことなんか構っていられない」というのが現実です。(p59)
気がついてほしいのは,広くて浅い人間関係なんかいつでも振り解けるということです。「嫌われるかもしれない」と思っていることでも,「嫌われたらそのときのこと」と割り切って動いてみることです。(p63)
他人を信じるというのは,ありのままの自分をその人の前に投げ出しても受け入れてもらえると思えることです。みんなに合わせるというのは,自分を隠してその場の空気や成り行きに合わせることです。つまり他人を信じていないのです。(p66)
「自分だけがダメな受験生」と思ってしまえば,不安も自分1人で受け止めるしかなくなります。誰にもわかってもらえないという苦しさも生まれます。でも「みんな同じなんだ」と気がつけば,「自分はダメ」という気持ちはなくなります。たっだそれだけのことでずいぶん楽になるのです。(p85)
自分の欠点を気にする人ほど,他人の長所に気がつきやすいのです。それはそれですごくいいことなのですが,それなら自分の長所にも少しは気がついてほしいのに,なぜか欠点ばかり気にし続けます。(中略)相手の長所と自分の短所を比べてしまうのですから,そもそも比較にならないのです。(p88)
自信がなくても自分を信じることはできるとわたしは思っています。ここでも大事なのは,「人はみな同じ」という考え方です。(p97)
自分を信じない人の考え方に,「人間は変わらない」というのがあります。「どうせわたしは買われない」という諦めです。(p99)
自分を信じるというのは,自分を見てくれる人がいると信じることでもあるのです。(p114)
自分を信じない人は,自分の成長を信じていません。信じていないというより,頭から抜けていることが多いのです。「人は成長していく」という感覚が持てないのです。(p125)
わたしも若いころは,学歴を得たいとか,早く成功者になりたいと焦っていましたが,ふだん高齢者に接する職業についたおかげで,人生のピークは遅いほうがいいと思えるようになりました。若い頃,いくら成功しても,その後,鳴かず飛ばずでは哀しすぎます。(p134)
ありのままの自分をぶつけたときに初めて相手も心を開いてくれるとしたら,そこで初めて,好きな人や親しい人,尊敬できる人に出会えるということです。(p155)
自分を信じない人は,いまあるものを守ろうとするのです。(中略)するとどうなるでしょうか? 他人の言葉を受け入れなくなります。(p167)
他人に頼られるのは嫌ですか?(中略)ここでもし,「すぐ人に頼るんだから」と軽蔑するような人だったら,きっと自分も人に頼らないで頑張ってきた人なのでしょう。偉いなあと褒めたいところですが,ただ単に「頼ったら負け」と考えてきた人かもしれません。もしそうだとしたら,他人を信じていないことになります。(p174)
この人(山中伸弥教授)がすごいのは,ほとんどの研究者がムリだと諦めていたことを「やってみなくちゃわからない」と考えたことだと思います。(中略)自分を信じる人は,基本的に「やってみなければわからない」という考え方をします。自分を信じない人は逆で,「やってみなくてもわかる」という考え方をします。(p183)
双六にも,諦めるという選択肢だけはありません。自分だけ取り残されても,サイコロは手元にあるからです。それを振り続けるだけでいつかゴールに着きます。自分を信じるというのは,失敗も含めていつかゴールに着くんだと信じることです。(p188)
信じる自分は格好いい自分でなければいけないのでしょうか? わたしはそうは思いません。(中略)自分を信じるというのは,どういう自分になっても「わたしはわたしだから」と胸を張って生きることだと思います。(p197)
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