著者 三浦 展
発行所 光文社新書
発行年月日 2016.03.20
価格(税別) 740円
● 著者お得意のデータに語らせるという内容。「資産の多い少ないにかかわらず,幸せな人ほど友人と余暇を楽しむ機会が多く,幸せでない人ほど機会が少ない」という。大きなお世話だ。
一方で,男性シニアは友人の数が多いほど幸福度が上がるという傾向は顕著ではない,とも。首肯できる。
● 以下にいくつか転載。
富裕層は何を買うのかと私もよく聞かれるが,富裕層が買うのはお金なのである。富裕層だからといって,毎日高級フランス料理を食べるわけではないし,健康を考えれば日々の食事は質素である。(中略)特に高齢ともなれば買う物もない。買うとすれば,貴金属も含めた金融商品である。富裕層にとってお金は消費の手段ではなく,さらにお金を増やす手段なのである。(p42)
金融資産による格差があるのは「生活資金の不足」だけである。病気も災害も介護も死別も差はないのだ。「生老病死」の不安に格差はないと言える。いくらお金があっても,最後は死ぬ。それだけは平等だ。(p50)
年収が1000万円以上になると幸福度が下がることがしばしばある。また,男性は年収が上がるほど既婚率が上がるのだが,やはり1000万円を超すと既婚率が下がる傾向も,ほとんどすべての調査で見られた。詳しい理由はなぜなのかわからないが,どうも年収800万円が最も幸福なラインらしいのだ。(p94)
知っている人n数が少ない場合の幸福度は男女差が少ないが,女性は,知っている人の数が増えるほど幸福度がどんどん増していく。(中略)男性の場合は(中略)女性ほどには幸福度を上げないようなのである。(p114)
男性は(中略)ガールフレンドがいることで格段に幸福度が上がる。ガールフレンドは,子供や孫がいることよりも,隣近所の知人の数が多いことよりも遥かに幸福度を上げるのだ!(p116)
お金があって友人がいないよりも,お金がなくても友人がいるほうが幸福度が増すのである。(p132)
不幸な人はお金が欲しい人なんです。お金があれば幸せになれるという価値観で凝り固まっている人が不幸なんですね。(藤野英人 p208)
何でもネガティブに考えて,世の中のことを否定的に見ている人より,何でも見てみる,何でも首を突っ込んでみるおじいさんとか,おばあさんのほうが,お金があろうがなかろうが幸福だし,たぶんそういうタイプの人が結果的にお金を持ちやすいんだろうと思います。(藤野英人 p211)
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