著者 疋田 智
片山右京
今中大介
勝間和代
谷垣禎一
発行所 PHP
発行年月日 2009.09.24
価格(税別) 1,300円
● 疋田,片山,今中,勝間の4人が自転車をめぐって,肩肘はらずにお喋りしたのを文字にしたもの(谷垣さんは,インタビューを受けているだけ)。
したがって,こちらも肩肘はらずに読める。難しい話は出てこないし。
● 自転車の魅力や効用について主に話が進み,後半で自転車に関する道路政策や交通規則に話題が及ぶ。
ぼくも自転車通勤をしたりしてるんだけど,この本を読んで感じたのは,自分は自転車の魅力を満喫できていないっていうか,わかっていないんじゃないかってこと。
● ひょっとして縁なき衆生のひとりなのか。いやいや,体力,運動神経ともにない自分のような人間にもできる数少ないスポーツが自転車だと思っているので,もうちょっと付き合ってみたい。
あるいは,スポーツそのものが好きじゃないのかもしれないけどさ。
● 以下にいくつか転載。
「馬の上と自転車の上は同じなんだな」と思ったんです。からだが適度に動いて,でも一応拘束されているので,頭の中で考えをぐるぐる,ぐるぐる回すじゃないですか。そうすると,パッと思いつくんです。それを忘れないうちに,ボイスレコーダーでメモする。(勝間 p76)
普通に何か仕事をしているときって,インプットかアウトプットか,どちらかをやっていますでしょう。でもたぶん,インプットもアウトプットもしないぼんやりした時間っていうのがないと,せっかくのインプットもアウトプットも,実は有効に活かせないと思うんです。なにもない一見無駄な時間こそが,本当は一番,考えがまとまる時間。それが自転車の上なのかなと思うんです。(疋田 p76)
電車に乗っているときは,何も考えまいと,無念無想になろうとしても,できないじゃないですか,いろんなことを考えてしまう。(中略) でも自転車乗っている場合は,物事を考えよう,アイデアを練ろうみたいなこともできるし,かつ,無念無想にもなれるっていう。(疋田 p78)
日本のプロのレーシングドライバーって言える人たちが,やっぱり言葉遣いとかを,ちゃんとやってこなかったと思うんです。暴走族の延長戦上だったり,若い人の暴走族の先導的な部分があって。自転車もそういうふうに,存在をちゃんと文化として,スポーツとして認知されなかったら,同じようなことになっちゃうと思うんです。(片山 p94)
自転車本をいくつも書きながらいつも思うんですが,私なんかが雑誌や本,さらにはネットにいくら書いたって,それよりもメッセンジャーの台数が増えてくれたということが,東京の自転車環境を変えたっていう気がするんです。(疋田 p107)
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