著者 いとうせいこう・みうらじゅん
発行所 KADOKAWA
発行年月日 2015.03.31
価格(税別) 1,600円
● もうずっと続いている「見仏記」の最新刊。今までは,いとうさんとみうらさんが二人でお寺を訪ねて仏像を見て・・・・・・,それを雑誌に連載していた。
今回は,DVD版の撮影スタッフと一緒に行動。
● ただし,尾道では二人だけの「見仏」になった。で,その尾道篇が一番面白かったりする。
文章はいとうさんの担当。文章の二割か三割はみうらさんを描いている。みうらさんが,いとうさんが文章を書くのを助けようとしているようにも思える。
● 互いに,互いの力量をリスペクトしているのだろう。たとえば,次のような文章もある。
武蔵の『鷲の図』と『竹林の図』の障壁画に戻ると,みうらさんが絵を描く人ならではの言葉を短く吐いたのが印象的だった。下絵もなしに一気に描くのは本当に勇気が要るし,難しいというのだった。以前,みうらさんは私の家の襖に四体の仏を墨で描いた。その時もこわい,こわいとみうらさんは言っていた。そして,いざ描き出すとすさまじい集中をした。最後は私さえ外に出されたものだった。(p196)● シリーズ最初の単行本を読んだときには,面白そうな読みものだと思っていた。「見仏」は取って付けた理由にすぎなくて,要は珍道中を面白い読みものに仕立てようとしているのかと思った。
のだが。そうじゃないと気づくのに時間は要しなかったですね。だんだん「見仏」のレベルが高くなってきてて,もはやぼくにはついていけない。
いや,当初からついて行けてなかったんだろうけどね。
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