著者 白鳥和也
発行所 枻出版社
発行年月日 2009.07.10
価格(税別) 1,500円
● うーむ,なるほどフェチだ。ここまでの思い入れを持てる人が世の中にはいるんだな。いや,けっこういるのかもしれない。
自転車の各パーツに美を見いだすというかね。さらに工作好きであること。漢(おとこ)だねぇと思ってしまいますよ。
● ぼくはまるでダメだ。子どもの頃,男の子だったら誰でも夢中になるプラモデルも,ぼくは上っ面をかすっただけだった。ちょっと細かくなると,もうお手上げだったので。天性の不器用だった。
ぼくの父親は職人で,たいていのモノは自分で作れた人なんだけど。
● もちろん,三つ子の魂百までというわけで,今でも工作はダメだ(と思っている)。自分で自転車をカスタマイズするなんてのは,ぼくにとっては別世界の話になる。パンクくらいは自分で修理できるけれども,たぶん,人の倍の時間を要するだろう。
その分,その世界の人には憧れもある。なれないけどなってみたいっていう。
● 以下にいくつか転載。
だいたいにおいて,道楽の乗り物というのは,個人の独立や自立,自律を絵に描いて額に入れたようなもの(p110)
主人とともに長い時間を過ごし,なおかつ主人に愛され,手をかけられていた乗り物には,独特のオーラがある。一種の迫力に近い。部品自体は物質なんだけれど,物質を超えた何かがそこに生きている。(p125)
多くの人は,本物という物体があると考える。物質の世界の中に原型があると考えるのである。私はそうは思わない。この世の物体はすべて,別の世界の中に存在している理念のレプリカまたは複製だと思っている。(p191)
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