著者 下野康史
発行所 ダイヤモンド社
発行年月日 2011.06.16
価格(税別) 1,400円
● 読んで楽しい自転車エッセイ。この手の本の多くは,自転車ってこんなにいいものなんだよと読者を煽っているところがあると感じるんだけど,この本にはちょっと冷めたところがある。
いや,自転車にはまっているんだけど,一方で冷静。
● 以下にいくつか転載。
その手の超高級自転車にポンとお金を出すのは,クルマからドロップアウトしてきたおじさんなんかが多い。高いといったって,クルマに比べたら自転車は安い,と錯覚する層を当て込んで,輸入業者がやたらとノッケているようなフシがある。(p19)
個人的には自転車ってせいぜい30万円までのものだと思う。(中略)人が乗ったロードバイクで最も重要な部品は,人間というエンジンである。カーボンのモノコックフレームも,完組み軽量エアロホイールも,11段スプロケットも,人間エンジンに比べたら所詮,“たかが自転車”である。(p20)
クルマと伍して走るには,一瞬だってボーっとしていられない。なぜならクルマの多くはボーっとしているから。そのかわり,車道を走るようになると,途端に平均スピードが上がる。どんなに舗装の質が悪い車道も,歩道よりは平滑にできている。(p52)
坂は,斜度より長さがキク。(p92)
余っているより足りないほうがおもしろい。そのほうがドラマがあるし,ストーリーが生まれる。工夫するから,頭もスマートに(賢く)なる。(p188)
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