2019年4月2日火曜日

2019.04.02 福島槙子・寺井広樹 『もし文豪たちが現代の文房具を試しに使ってみたら』

書名 もし文豪たちが現代の文房具を試しに使ってみたら
著者 福島槙子
   寺井広樹
発行所 ごま書房新社
発行年月日 2018.03.16
価格(税別) 1,019円

● 面白い読みもの。最終章の“試し書き”はなるほどと思って読んだ。こういうものに着眼するのかという驚きも。意外なところに宝があるんだな。

● 以下にいくつか転載。
 彼(安部公房)が晩年に仕事場としていた箱根の山荘には,「発想メモ板」というアイデア出し用のボードがありました。そのボードには細長く切ったメモに様々な言葉が書かれ,ひとつひとつが画鋲で板に固定されていました。中にはひとつの画鋲で2枚,3枚のメモが放射状に固定されていたりもします。(p45)
 極度のメモ魔だったエジソンは「エジソンノート」と呼ばれる大量のメモを残しています。その量,なんと大学ノート3500冊分。それもが発明のアイデアや実験の結果,他の研究者の論文の内容など,細かなメモでびっしり埋め尽くされています。エジソンのすごいところは,メモをメモしっぱなしにするのではなく,随時読み返してきちんと活用していたところ。(p69)
 母が書き初め用の新しい筆を買ってくれました。その筆が,なんと5千円以上の高価な筆だったのです。これまで使っていた筆は2千円ほどのものでしたから,2~3倍もの値段です。(中略)その筆を使ってみると,なんと書きやすいことか。(中略)この時,いい道具を使うと気持ちにも大きな変化が起こり,それによって結果がついてくるのだということを肌で実感したんです。(p106)
 さりげなくペンの書き心地を確認する試し書きの紙の上にこそ,さまざまは色彩と濃度をもった人間模様が浮かび上がっている気がします。(p131)

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