書名 続・日々の100
著者 松浦弥太郎
発行所 青山出版社
発行年月日 2011.11.25
価格(税別) 1,900円
● 100個あげたうえで,さらに100個。いかな松浦さんといえども,これは辛かったのではないか。それでもきちんと100個でまとめあげているわけで,さすがはプロという感じ。
● 前作(『日々の100』)よりエッセイ成分が多くなっているように感じる。モノ自体を語るよりも,そのモノを媒介にして自分を語る。だから,前作より面白くなっているとぼくには感じられる。
● ぼくも普段使いしてて,お世話になっているモノをランダムにあげてみる。
ヤクルトの野菜ジュースと黒酢ドリンク
ポール・スミスのシステム手帳
ユニクロのトートバッグ
水性ボールペン(パイロットのHi-TEC-C COLETO)
パソコン(ThinkPad)
スキャナ(ScanSnap)
スマートフォン(docomoのSH-12C)
BOSEのイヤフォン
革靴風の運動靴(newbalance)
Seriaのシステム手帳バインダー(保存用)
もらいもののペーパーナイフ(VICTORINAX)
安物のペンケース(Trevi-Ⅱ)
ディズニーランドで買ったコーヒーカップ(2000YEARS LIMITED EDITION)
ナイスタック両面テープ
MIKIHOUSEのマグカップ(ペン立てに使っている)
子供が小さかった頃にお気に入りだった玩具(タイヤが取れてしまったミニカー)
百円ショップで買ったハサミ
日清のチキンラーメン
ロッテのクロレッツガム
桃屋の江戸むらさき「唐がらしのり」
● 以上で止まってしまった。もちろん,いろんなモノに囲まれているわけですけどね。これ以外に気にとまるモノはないな。
ひとつにはデジタル化ってのがあると思いますね。ノートもペンもアルバムも使わなくなっている。なんでもかんでも,パソコン。保存先もパソコンのハードディスク。そのうち手帳も使わなくなってしまうかもしれない。
正直,以上のモノの中で,理由があって選んだモノなんかないからね(子供の玩具は別)。代替品がいくらでもあって,べつに代替品でもかまわないわけでね。思い入れもさほどにあるわけじゃない。
以上にあげたモノだけでも,松浦さんとは全然違うわけでね(インスタントラーメンが入ってるんだもん)。彼のようにはできないなぁ。要するに,ていねいじゃないってことになる。ぼくの人生はマニアワセの連続。
● いくつかの引用。
僕がみんなにすすめたいことは,自分が他人にしてもらって嬉しいことは何だろう,と一日に一度考えてみることだ。そして,そのうちの一つでいいから,今日,家族や友だち,出会った人にしてみることだ。そんなささやかで小さな心がけが今日一日のしあわせを生んでくれる。(p32)
語学ができても笑顔がなければ,言葉は通じない。たっぷりの笑顔で上手な挨拶ができれば,言葉なんでできなくても,世界中どこに行っても暮らすことができるということが,外国での旅で覚えたことだ。(p34)
部屋にティッシュの箱が置かれていると,どんなにインテリアに気を使っていても,一気に台無しになる。(p60)
他にも使えそうな便利な木皿だが,トースト用,しかも朝だけの特別にしている。愛用とは,その用途を一途に守ることだと思っている。(p62)
人生にはふたつのルールがある。ひとつはコストを計算しないこと。もうひとつは,自分が熱中できないことは決して何もしないこと。(p90)
嫌われることを恐れて,他人の顔色をうかがう生き方はするなということだ。(中略)黙って,にこにこしているだけで,何を考えているかわからない人間と友だちになろうと思う人はいるはずがない。僕はそれにもっと早く気がつくべきだった。(p136)
孤立を孤独と間違えるな。孤独は人間の条件である。今のおまえは孤独ではなく,単なる孤立である。さみしいと思っているのは,自分が社会や家族,他人に対して,十分に手を差し伸べていない証拠である。(p168)
たくさんの希望や努力があるかぎり,たくさんの挫折や絶望はさけられない。常に作用と反作用が対になっているからである。「朝の来ない夜はない」と誰かが言ったがその通り。苦しみやつらさは,逃げれば逃げるほど追ってくるもの。だからこそ,苦しみやつらさから逃げずに,それに立ち向かうしか方法はないのである。楽な道を選ばないように。(p182)
ピンときたときは,臆せず声をかけるのが,旅先で出合いをもたらすコツである。(p208)● 風水に凝って西に黄色のものを置いたことがあるという話も出てくる。松浦さんでもそういうことがあるんだと,ちょっとホッとした。
普通の人なんだってね。そりゃそうだ。人間だもんな。
● この本の刊行後に,松浦さんが愛用品について語っているインタビュー記事がネットに載りました。一応,ご紹介に及びます。リンクをクリックしてみてください。
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