読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2012年11月25日日曜日
2012.11.24 岡田斗司夫・福井健策 『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』
書名 なんでコンテンツにカネを払うのさ?
著者 岡田斗司夫・福井健策
発行所 阪急コミュニケーションズ
発行年月日 2011.12.07
価格(税別) 1,400円
● 副題は「デジタル時代のぼくらの著作権入門」。前半はその著作権の「現状と課題」的な話。
しかし,本書の白眉は後半にある。岡田さんが自分のビジョンを展開する。これが面白い。
● 現行の著作権制度を維持するのは無理というのが,岡田さんの出発点。まず,「ユーザーが求めているのはコンテンツではない」(p112)と。
では何かといえば,「お金を払う対象は,崇拝の対象となる人自身です」(p114)ということ。その人が産みだすコンテンツではなく,その人自身なのだ,と。
● それを受けて福井さんも言う。「ライブの売り上げがまったく落ちなかったのは,デジタルで代替できないから」(p119)だ。
「ライブイベントの関係者に「どうやって稼いでいるの?」と尋ねると,入場料自体の収支は武道館のワンデーがフルハウスでやっとトントンというところで,大したことはない。(中略)じゃあ,何で収益を上げるのかといえば,大きいのはタオルなどのグッズなんですよ」(p119)ということ。
では,なぜライブの観客がグッズを買うのかといえば,「臨在感を買おうとしているから」(p120)だ,と。
● 岡田さんは「コンテンツで食えるクリエイターは「世界で」1,000人が限度じゃないか」(p155)と大胆なことを言う。
さらに「僕らが救うべきは,食うや食わずで創作を行っている貧乏なクリエイターではなく,無料で作品を作っているプチクリエイターなんですよ。こうしたクリエイターこそが,文化の多様性を生み出す最大多数です」(p157)とつないでいく。
このあたりはスリリングといっていいほどに面白い。
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