読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2012年11月14日水曜日
2012.11.14 福島文二郎 『9割がバイトでも最高のスタッフが育つ ディズニーの教え方』
書名 9割がバイトでも最高のスタッフが育つ ディズニーの教え方
著者 福島文二郎
発行所 中経出版
発行年月日 2010.11.25
価格(税別) 1,300円
● 「PROLOGUE」でリッツカールトンとディズニーを対比している。リッツカールトンの「従業員採用の特長は,会社の考え方に同調できない人はもちろん,サービス業に向いていないと判断した人は,絶対に採用しないということ」なのに対して,「ディズニーは「ウエルカム」,つまりアルバイト採用に応募してきた人は,基本的に全員採用する方向で対応してい」るということだ。「ディズニーには「人は経験で変わる・育つ」という考え方があ」るからだ,と。
その育て方を本書で説いているわけだが,採用数がぜんぜん違うし,仕事の内容も違うから,ディズニーのやり方をリッツカールトンに適用してもうまくいくかどうか。
● 「人は,相手が最善を尽くす姿に心を打たれるものです」(p101)とはしばしば言われることだけれども,本当にそうだと思う。たいていの人はそのことをわかっている。なぜなら,自分に最善を尽くしてくれた人に心を打たれた経験を,一度くらいはしているからだ。
しかし,相手に最善を尽くすことができる人とできない人がいる。
● 「よい職場には笑顔が根づいています。笑顔の多い職場ほど人間関係も良好です。社員の仕事に対するモチベーションが高いことはいうまでもありません」(p162)
そうなんだよね。ひっきょう,ここに集約されるかもしれないですよね。だいぶ前から部下のメンタルヘルスに注意することが,上司の仕事のひとつの柱になっていると思うんだけど,職場の雰囲気がギスギスしていたりよそよそしかったりしてたんじゃ,メンタルヘルス対策をいくら打ちだしてみたって,ザルで水を救うようなものだ。
喧嘩や言い争いがあるのはいいけれども,それぞれがそれぞれに対して無関心ってのは,ウツの温床になる。
● 今のサラリーマンって昔より余裕がなくなっていると思う。仕事が増えている。管理がきつくなっている。きつくなること自体はいいとしても,意味のないきつさってのは,けっこうコタえるよね。出張旅費を早く精算しろって言われるのはいいけれども,稟議書のテニオハについて呼びつけられて,アーダコーダと言われると,時間を返せと言いたくなるものな。気がついたのならおまえが直しておけ。
ま,管理のし方,され方がきめ細かくなっている。これが余裕を奪っている第一の元凶だと,ぼくなんぞは思っている。
● 職場環境の変化もある。一番大きいのはパソコンが一人に一台配置されたことだね。これで前後左右の人たちとの言葉のやりとりがだいぶ減ったと思うぞ。
それに見合うだけのメリットがパソコン(+イントラネット)にあるのかどうか。端末やネットワークの保守点検に要する費用や,ソフトを含めた導入費用を加えると,ほんとに元が取れているのかね。
ともあれ,いろいろあって,日本のオフィスからは余裕が失われ,笑顔が消える方向にある。
● それと,最近の余儀ない節電で,オフィスが暗ったくなっていること。デパートとか行っても,動いていないエスカレーターがあると,ウツ細胞が刺激される。まして,暗ったいオフィスってのはなぁ。
冷暖房を我慢するのは当然としても,蛍光灯を間引いたところで,実際どれほどの節電効果があるのだ?
● 「後輩に指示を出すとき,指示だけを伝えて,なぜ,どういう目的でその指示を出しているかについては,何も伝えないという上司・先輩はいないでしょうか。それでは部下は納得しないでしょう。反発するケースも考えられます。なぜなら,後輩の存在を軽んじているからです」(p182)
これも大事なことだ。上司面する馬鹿とか先輩風を吹かせる阿呆とかは,昔からいる。上司や先輩の役割を演じるのに,面とか風は要らないんだけどね。
ただ,問題は,自分でもできていないってこと。気をつけないとな。
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