書名 西の果てまで,シベリア鉄道で ユーラシア大陸横断旅日記
著者 大崎善生
発行所 中央公論新社
発行年月日 2012.03.25
価格(税別) 1,400円
● 鉄道紀行となると,どうしても宮脇俊三氏を思いださないわけにはいかない。宮脇さんがあそこまで極めてしまった以上,あとに続く人はどうしたって二番煎じを免れない。
文章もしかり。宮脇さんの香気ただよう文章に,何かを付加できる人なんているんだろうか。
● 貧乏旅行というなら,下川裕治さんがいる。この分野では,下川さんがありとあらゆることをやってくれている。脂肪をそぎ落とした文章で作品にしてくれている。
青春冒険紀行?なら,沢木耕太郎さんの『深夜特急』が現在に至るも圧倒的な存在感だ。それなら毛色の変わったものをといっても,たとえば鴨志田穣さんの『アジアパー伝』がある。
どうにも困ったものだ。
● この本は,著者のメモのようなものだと思える。将来,これを素材にした小説が生まれるのかもしれない。
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