読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2013年1月29日火曜日
2013.01.29 フジ子・ヘミング 『運命の力』
書名 運命の力
著者 フジ子・ヘミング
発行所 TBSブリタニカ
発行年月日 2001.06.27
価格(税別) 1,800円
● 著者が世に知られるようになってまもない頃に出版された。著者の自伝のようなものだが,本人が書いたのではなく,本人へのインタビューを元に他者がまとめたものかと思う。
著者について知るには,最も適当な一冊だと思う。
● 母親についてもわりと詳しく言及している。今のモノサシをあてれば,ひょっとしたら虐待?と思えるような扱いを受けているんですね。当時は世間にざらにあったことだと思うんだけど。傍目には,少女時代も幸せとは言いがたかったように思える。
ベルリンに留学後,聴力を失った著者は,貧困と失意のうちにストックホルムに移る。自分と母を捨てて故国に帰った父親を頼ろう(主には経済的に)としたのだろう。しかし,結局,父親も会ってはくれなかった。
著者の人生の大半は過酷と道連れ。親の犠牲者って感じもしてしまう。それでも,父,母とつながっていたいという切ないほどの著者の思いが印象的(と,ぼくには思えた)。
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