読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2013年1月31日木曜日
2013.01.31 『TOKYO図書館紀行』
書名 TOKYO図書館紀行
発行所 玄光社MOOK
発行年月日 2012.03.24
価格(税別) 1,200円
● 図書館って,出版社やCDレーベルに言わせれば,たぶん,迷惑施設に違いない。無料の貸本屋にしか見えないだろう。買わないで借りる人を増やしているだけじゃないか,と。長い目で見たら,文化の衰退につながるのじゃないか,と。
CDレーベルにとっては,さらに被害は大きいかもしれない。図書館でCDを借りてパソコンにリッピングしてる人が相当いるはず。CDが売れなくなったのは,インターネットの普及が最大要因だけれども,公立図書館の存在も看過できない理由だ。
特に,クラシック音楽に関しては,CDショップの地域一番店やレンタルショップよりも,地元の公立図書館の方が品揃えがいい(地方では)。まず,図書館で探して(ネットですぐに検索できる),もしなければネット通販で買うというのが,一番ありがちな購買行動ではあるまいか。
● 実際,たいていの市町村立図書館は,無料の貸本屋として機能している。そういう役割しか期待されていないもんね。知的水準の高い人が,さらに知の探求を試みるために図書館を利用するなんてのは,地方の図書館では絶無といっていいんじゃないか。
ゆえに,図書館に司書は要らない。素人でも務まる。そういう実態がたしかにあると思える。
● 図書館にたむろしているのは,自腹を切らないで借りてすませようとする人ばかり。知にケチな人。知的品性の下劣な人。かくいうぼくもそのひとりなんですけどね。図書館が盛況であるのがいいことなのかどうか。
というと,だって本って高いんですもの,っていう声が聞こえてきそうだな。いやだ,いやだ,ゾッとする。クローゼットの中でゴミになっている洋服は高くなかったのかよ。でも,繰り返すけれど,ぼくもそのゾッとする中のひとりなんですな。
● で,ここから言い訳になるんだけど,知は限りなく廉価であるべきだとも思ってましてね。空気と同じになってほしいっていうか。知の生産をメシのタネにするのは,もう終わってもいいんじゃないか。本業を別に持っている人が,手慰みにやるものになるべきじゃないか。
ま,そういうふうにはならないんだけどさ。っていうか,相当に無茶苦茶なことを言ってますよね。
知に対してケチなぼくが言っちゃいけないんだけども,無料貸本屋としての図書館はやっぱりあってほしい。クリエイターの皆さんには本当に申しわけないけれども。
● 本書で紹介されている図書館は次のとおりだけれども,いずれも存在感に溢れている感じ。公立図書館もいろいろと斬新な試みをしているのだなぁと,認識を新たにしました。さすが東京という感じも。
国立国会図書館 国際子ども図書館
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
東京大学総合図書館
東京・日仏学院メディアテーク
世田谷文学館
東京都北区立中央図書館
日本近代文学館
ちひろ美術館・東京
多摩美術大学図書館
東京藝術大学附属図書館
東京都写真美術館図書室
東京国立近代美術館フィルムセンター図書室
東京都現代美術館美術図書室
Bookshop TOTO
国立新美術館アートライブラリー
千代田区立比日谷図書文化館
まち塾@まちライブラリー
ひと・まち・情報創造館 武蔵野プレイス
紙の博物館図書室
現代マンガ図書館〈内記コレクション〉
食の文化ライブラリー(味の素)
切手の博物館図書室
印刷博物館ライブラリー
アド・ミュージアム東京 広告図書館
国立天文台図書室
国立劇場図書閲覧室
大宅壮一文庫
東洋文庫
都立多摩図書館 東京マガジンバンク
国立国会図書館
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