書名 PHONE BOOK 世界のケータイ
著者 ヘンリエッタ・トンプソン
訳者 古谷真佐子
発行所 トランスワールドジャパン
発行年月日 2006.07.29
価格(税別) 3,000円
● 原著の出版は2005年。iPhoneもAndroidも登場していない。ただ,スマートフォンという言葉はあったし,BlackBerryはすでにあった。Windows Phoneの前身であるWindows Mobileを搭載したケータイは日本でも売られていた。
が,メインはガラケー。i-modeの時代。
● 本書は当時,それまでに販売されたケータイの代表的なものを収録した,誌上博物館のようなもの。
本書における両横綱はモトローラとノキア。モトローラはGoogleに買収され,ノキアにも昔日の面影はない。この分野の栄枯盛衰はめまぐるしい。
Windows Phoneは風前の灯火かと思われるし,アップルやサムスンもはたしていつまで健在でいられるか。というふうに,ユーザー側はお気楽にながめている。
● ノキア傘下のVertuもこの本に載っている。どんな人が買ったのだろう。お金持ちが身についている人が,ああいうものに手を出すとは考えづらいんだけど,中にはいるのか。
成りあがったばかりの人か,1Kのアパート住まいで車はベンツに乗るタイプの人か。今の若者にはこの感覚は想定外だと思うので,それなりの年齢の人たちだろう。
日本からはすでに撤退しているが,Vertuそのものはノキアから離れて,現在も存続している。
● しかし,ケータイじたいは,それなしでの生活は考えられないほどだ。ぼく一個は通話用のケータイはなくても痛痒を感じない。だいたい,プライベートで電話をかけるということがまずない。電話を受けるのもいやだ。
が,ケータイ(スマートフォン)は絶対に必要。メール,ネット,GPS,ゲーム機,テレビ,カメラ,ビデオ,音楽プレーヤーを兼ねる機械が掌に乗るのだ。
極端な話,ケータイがあれば,カメラやテレビなんぞを所有しなくてもすむのだ。持ちものを減らせることが快感でなくて,この世にどんな快感があるというのか。
● ぼくはOCNのSIMをさしている。ありがたいことに,データ通信料も安くてすむようになった。
大手キャリアも,今の料金水準でずっと行けるとは思っていないだろう。供給側に安息はない。
形ばかりのSIMロック解除でお茶を濁していられるのも,そう長くは続くまい。日本でもSIMロックフリーがあたりまえになるだろう。
iPhoneだけじゃなく,Android,特に日本仕様の機能を持ったAndroid,も早くロックフリーになってほしい。海外にしばしば出かける人にとっては,SIMロックなんて化石時代の桎梏でしかないはずだ。
● というようなことを思いながら,大昔のケータイの写真を見ていった。
0 件のコメント:
コメントを投稿