著者 尾木直樹
茂木健一郎
発行所 青灯社
発行年月日 2013.09.25
価格(税別) 1,400円
● 現代の教育の現状を痛烈に批判。これ,教育だけじゃない。大人の世界もあらかた,ここで憂えられているのと同じ様相を呈している。
ではどうするか。ひとりひとりが従順な羊であることをやめて,声を出すこと,行動すること。
● 一世を風靡した百ます計算にも疑問が呈される。幼稚園でやらせているフラッシュカードに対しても同様。
テレビでも取りあげられた鹿児島の某幼稚園などが採用している○○式にも疑問を発する。聞く人が聞けば,あ,あれかとわかるものですね。某経営コンサルタントが紹介したものは,ロクなもんじゃないっていうか。
● 以下に,ちょっと多すぎるかもしれない転載。
僕,その早稲田の授業の1年目に,すごく厚めの専門書なんだけれども,この本,面白いから読むと良いよ,と学生に紹介したんです。そうしたら,次の週までに読んできた女の子がいて,びっくりしてしまった。日本人の,普通の,女の子なんですよ。それで,「おまえ,あれ読んだの?! すげえな,おまえ! どこの高校から来たの?」って聞いたんです。そうしたらね,スイスの寄宿舎学校だっていうの。日本の高校だと,いわゆる偏差値が高いといわれている所でも,そういう感覚で学問に向き合える学生は,いないですね。(茂木 p44)
学校に行かないと,社会性がつかない,なんていうのは嘘です。(茂木 p52)
自然体であいさつできることが,重要だと思うんですが,「運動」化してしまうと,間違ってくると思うんです。教育に「運動」はいらない,と僕は思います。「活動」は必要かもしれませんが,「運動」ほど,不気味で,強制的でイヤな実践スタイルはありません。(尾木 p74)
本来は,百人いたら,百人が市川海老蔵と,仕事は同じ領域ではないけれども,同じ能力を持っているんです。(尾木 p106)
今を輝いたら,明日が輝くし,10年後が輝いているはずです。今を充実させて,輝くということが大事なんであって,10年後の就職のために,3年先の大学に入るために,今を我慢する,なんてね,そうしたら,ずっと我慢でしょう? それはね,適応主義そのものなんです。(尾木 p120)
日本の場合は,なんでも「絆」とかいって,一つに,一つにまとめたがる。集団主義的なスタイルをやるのが大好きなんですよね。(尾木 p144)
茂木 現代における独創性,創造性って,いかに,ネットと切り離された時間を確保するか,ということが一番大事なのかもしれません。 尾木 でも,茂木さんの場合,すごくツイッターなんかやっておられるじゃないですか。僕もブログを毎日どんどん発信するんですが。だから,ケータイやスマホは上手く使えばものすごく使えますよね。 茂木 そうですね。でも,そこで出しているものって,昔の孤独の時代に貯めたもののような気がします。(p199)
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