著者 染谷昌利
発行所 インプレス
発行年月日 2013.06.21
価格(税別) 1,600円
● ブログ指南書。2014年10月で4刷。かなり売れている。
著者は会社勤めをやめて,ブログで生計を立てるようになった。ゆえに「ブログ飯」というわけだけれども,そこまで行かなくても,もっとアクセスを増やしたいと思っている人は多いだろう。
ぼくもまたそういう気持ちがあるから,この本を買ったわけだけど。
● で,一読した後に感じるのは,この本はブログ指南を超えて,仕事全般(たとえば,企画を立てるとか,キャンペーンを張るとか)に通じる奥義を説いているってこと。
力がこもっている。売れるはずだ。
● 「はじめに」で基本的な心得を説く。
結果が出るブログと出ないブログとの違いは,専門知識の量ではありません。案外些細なところにあるものです。(p8)
頭の中に入れておいて欲しいことが3つあります。(p11) 1 鵜呑みにしない 2 人との違いが価値である 3 すべて最初からやろうと思わない● 何といっても,継続することがすべての前提。
ブログを書くというのは,ごく普通の行動です。しかし,そんな普通のことでも,続ければ普通ではなくなります。(中略)普通のことを,普通じゃないくらい続ければ,それは異常です。異常値を超えて初めて,大きな結果がついてくるのです。私は,この成長曲線が上向く状況までいくのに6年間かかりました。(p78)
続けるということは単純なことですが,とても困難なことなんです。そして非常に重要な能力です。(p81)● しかし,次のようにも言っている。
もし,1年以上ブログを運営していて,1日のアクセス数が500PV以下,月額の収益が5万円以下なのであれば,何かしら運営方法に問題があります。(p213)いや,このハードル,高すぎませんか。1日のアクセス数が500もあったら,ぼく的にはおばけブログなんだけど。
でも,ブログで食っていくんだったら,この程度のアクセスもないんじゃ出発点にも立てていないことになる,というのは理解できる。
● 人と同じことをしていてはいけない。これも何度も繰り返される警句だ。「人との違いが価値である」ということだ。
人と同じことをするということは,特にインターネット上では無価値です。(p95)● まず,ネタを集めること。それを自分の味付けで提供すること。文章力も大事だ。
飯が食えるブログを作るためには,とにかくネタを集める必要があるという事は強く認識していました。何かを経験したら「メモ」,「撮影」,「背景の調査」は忘れずに。(中略)これからは,ブログを書くのは趣味ではなく仕事なのです。(p31)
「なぜ自分なのか」ということを意識しておくだけで,不思議なことに文章の雰囲気が変わってきます。(p63)
文章力を鍛えることを怠ってはいけません。文章力とは,専門的な内容を説明するのに,業界特有のフレーズを使わずに書く力です。(p71)● 商品を薦める際に注意すべき基本的なこと。
日常生活で,自分が使っていない商品を友人に薦めますか? 普通,薦めないですよね。でも,不思議なことに,インターネット上では,そんな「普通では無いこと」が大手を振ってまかり通っているのです。だからこそ,あなたのブログには,自分の体験や感想を書くべきなのです。これだけで他のブログとは違った印象を与えることができると断言できます。(p109)
ブログで紹介する商品は自腹を切って買った商品に限定することをお薦めします。自腹を切る事は「飯が食えるブログ」の第一歩だと私は思います。(p142)
成果を上げている人は商品の価値に自分の見解や情報を付加し,更に商品の魅力を向上させています。成果を上げていない人は商品の価値を横流ししているだけなのです。(p158)● SNSの賢い使い方も指南。
Facebookを使うなら個人情報は徹底的にさらせ 中途半端に情報公開をするくらいだったら,やらないほうがましです。(p189)
SNSとセールスは,非常に相性が悪いのです。(中略)SNSでは感情を動かすものか,極端なものしか共有されません。商品のセールスが感情を揺り動かすでしょうか?(p197)● 最後に,まとめ。人は楽しさを好む。だから,それを提供する必要がある。
多少,マニアクックでもいいのです。あなたの好きなことを掘り下げて,訪問者にとって居心地の良い場を提供しましょう。人は楽しい場所に集まるという特性を忘れずに!(p103)
ブログを書くことに慣れてきたら,今度はあなたの「ウリ」な何なのかを徹底的に掘り下げてみましょう。「ウリ」とは,ユニーク,すなわち独自性を持った存在ということです。(p235)
次に行うことは,書きだした自分の強みの精査です。(p236)
3つ目に行うことは,あなたの独自性は,誰のメリットになるか? を考えることです。(p236)
「自分の強みを徹底的に洗い出し,その情報を公開することで,読者に最大限の利益を与える」。言われてみれば当たり前のことですが,この当たり前のことにすら,気付かぬまま漫然と更新している人が大多数なのです。あなたがちょっと行動に移すだけで,他のブロガーだけでなくプロのライターの人たちのレベルを超えることだって可能になります。(p237)● その他,基本的な心構えと助言。次のようなもの。
振り返ってみると,好きなことを続けてきた結果が今に結びついているのだと,強く感じています。好きだったからこそ,会社に勤めながら5年,フリーランスになってからも4年,計9年間もブログを書いてこられたのです。(p55)
最初のうちはアクセス数をチェックするのはやめましょう。数字を気にしすぎると,ブログの内容が貧相になってきます。(p75)
よくテレビ等で芸人さんが普通の日常を面白く話していますが,あれは彼らの周りで起きている事象が面白いのではなく,彼らが面白く事象を見ているだけなのです。(p89)
アクセス数を増やすのは,新規の訪問者を集めるよりも,リピーターを増やすほうが圧倒的にラクなのです。(p101)
「昨日飲み会だったから,今日は適当でいいや」という状態で記事を書くぐらいなら,更新しないほうがマシです。(p120)
何でも卒なくこなす人より,マニアックな人に依頼は集中する(p244)● ぼくなんか典型的にそうだけど,大多数のブロガーにとっては,ブログは言いたいことを言い散らす場であって,それで食べていく仕事の場ではない。
が,本書はそういう人にとっても,相当に参考(または刺激)になるのではないか。
● ぼくは自分のブログに広告は入れていないんだけど,これって逆に安直ですかねぇ。
ブログデザインの観点からも広告を入れた方がいいのかなぁ。写真を使っていないので,文章ばかりのちょっと重っくるしいルックスだからねぇ。
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