書名 ビジネスファッションルール 武器としての服装術
著者 大森ひとみ
発行所 ディスカヴァー・トゥエンティワン
発行年月日 2013.05.15
価格(税別) 1,500円
● 「なぜ,日本の働く女性の多くは,ビジネスシーンで素敵に輝いて見えないのか? プライベートシーンでは,みんな,ほんとうに素敵なのに・・・・・・」(p2)ということから,本書はビジネスウーマンに向けて仕事着についてレクチャーする。
● この論点については,本書にも登場するけれども,はるか昔に刊行されたジョン・T・モロイの2冊(『Dress for Success』と『New The Women's Dress for Success』)がいうなら決定版で,この分野ではそれ以後,特段の訂正を要するような状況の変化はないんじゃないかと思う。
どちらも(完全版ではないかもしれないけど)邦訳が出ている。『ビジネスマン成功のための服装学』(ジャテック出版)と『キャリアウーマンの服装学』(三笠書房)。さすがに現在では入手困難になっているかもしれないけど。
● この2冊はぼくも読んでいる。で,それが活きたかといえば,全然。公私ともに服装なんかどうでもいいという方に行っちゃった。楽に流れたということですね。
ファッションルール以前に,お洒落の要諦はやせ我慢にある。そのやせ我慢ができるかどうか。やせ我慢に伴う面倒くささにつきあえるかどうか。
たいていの男はできないんだと思うんですけど,そうでもないのかなぁ。
● クールビズやスーパークールビズを実施する企業も増えてきていると思うんだけど,本書によればそれを認めないところもあるらしい。でもね,日本の夏はひょっとすると,同時期の香港やシンガポール以上に過酷な環境かもしれない。
今や,日本は温帯ではなくて,北海道を除いて亜熱帯に属する国になった。暑いだけならまだしも,湿度が追い打ちをかけてくる。
これでネクタイやジャケットを着用するなんて,馬鹿げているにも程がある。焼けた鉄板のうえで踊っている猫さながらだ。
● そうまでして維持しなければならない仕事の作法が,この日本にあるのか。あると思っているのは幻想じゃないのか。
「成功のための服装学」といったって,服装に対する見方をみんなで少し変えれば,別の「学」の体系が成立するだろう。
● 本書は女性向けの指南書だ。なぜそんなものを読んでいるかというと,なんでかなぁ,話題作りということにしておきましょうか。
かといって,この本に出てくるトピックをそのまま女性にぶつけたんでは,嫌みったらしいバカ男になってしまうかもしれない。っていうか,なるでしょうね。
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