著者 和田秀樹
発行所 新講社
発行年月日 2011.10.20
価格(税別) 1,300円
● 著者は,仕事に生きがいを求めるな,仕事は稼ぐための手段だと割り切れ,稼いだお金で好きなことをやればいいではないか,と言う。
しかし,仕事で身につくものは色々あるのだから,考えすぎないでやってみろ,それくらいの方が上手くいくものだ,とも。
● 要は,考えすぎるなということ。自分の適性とか専門分野とかやりたいこととか,そういうことを考えすぎるな,と。
それと,長期計画とか目標とかを予め決めてしまうのはダメだとも言う。やりもしないで,計画も目標もないではないか。やってみて初めて見えてくるものではないか。
● 以下にいくつか転載。
仕事も人生もやってみないことには,どう転ぶかわからない(p6)
わたしは仕事に生きがいを求めることじたい,間違いとは思っていません。1つの方向性として,むずかしいけれどもあると思っています。ただその場合でも,生きがいを見失ったときにはあっさり,「食うため」という割り切りができるかどうか,それが問題になってきます。(p38)
やりたいこととおカネ稼ぎの手段が一致するというのは,危険な面もあります。生き方が限定されてしまって,かえってつらいことがあるからです。(p40)
日本人は会社と人生を重ね合わせる傾向があります。おカネを稼ぐ場所と,生きがいややりがいを感じる場所は同じでなければいけないと考えるのです。(中略)会社はおカネを稼ぐ場所,そのおカネで自分の好きなことや,やってみたいことができるなら,ストレスはずいぶん小さくなるはずです。会社と人生を重ね合わせれば,ストレスの逃げ場がなくなります。(p43)
食うために働くだけで,おカネ以外に得るものはたくさんあります。ところが,「仕事の意味」を考え出すと事情は一変します。「こんな仕事,だれがやっても同じだ」とか,「自分が頑張っても儲かるのは会社だけだ」とか,あげくに「何か意味があるのか」と考えると,すべての仕事がバカバカしくなってきます。(中略)でも,そこで感じるつまらなさは,社会に出たからにはあっさり乗り越えなければいけないものなのです。(p57)
食うためと割り切っても,仕事にはつらいことがたくさんあるのだと知ることが,社会に出ることの意味なのです。(p59)
職場でみんなに信頼される人には共通点があります。仕事のやり方がていねいだということです。(中略)どんな仕事でも手を抜かないで,きちんと仕上げてくれます。(p71)
「結果を出せばそれでいいじゃないか」という理屈は通用しない世界なのです。でも,これが働くことで身につくいちばん大切なものになります。(p72)
いまの仕事や職場への不満など何ほどのものでもありません。失うのはせいぜい,勤務時間中の自由とちっぽけなプライドぐらいのものです。そのかわり,得るものはいくらでもあります。(p79)
失業している人にとっては週末は何のうれしさもありません。いくら時間は自由でも,その楽しみを保証してくれるものがありません。フリーも同じで,仕事をしない日はおカネを稼げない日です。(中略)就職するということは,休みの日や,1日の中の自由な時間を保証されるということなのです。好きなことをして過ごしてもおカネの心配をしなくていいのです。こんな恵まれた身分はありません。(p90)
転職というのは一発で決めるべきものです。「これでダメならまた転職すればいい」というのが,典型的な自分の安売り人間になります。転職するたびに値段が下がるのは当たり前で,ダメ,ダメできた人間は買い叩かれて当然です。(p105)
「いわれたことだけやればいい」と考えるタイプでしたら,たぶんお得意の仕事はないでしょう。職場の人間関係に息苦しさを感じたり,転職のことが頭にチラチラ浮かんでいるような人も同じです。つまり仕事を狭苦しく考える人は,気持ちの余裕がなくなって職場でも萎縮している可能性があります。(p129)
周りに頼りにされる時間が多くなれば,職場そのものが楽しい場所になってくるでしょう。少なくとも,自分の仕事だけと向き合っている人間よりは解放感をもてるはずです。(中略)そしてこういう人なら,どんな職場に移っても元気にやっていけるはずです。(p130)
動かなくていい仕事はありません。考え込むだけで解決する問題はありません。そして動けばかならず状況が変わります。(p131)
わたしがいいたいのは,遠回りさえいとわなければ,どんな目標に対してもいますぐスタートラインに立てるということです。逆に目標をたててもそれがすぐ実現することを望む人のほうが,いつまで経ってもうまくいかなくてグズグズしてしまいます。(p145)
先入観だけで「イヤだ」「できない」と思っていたこどが,いざやってみたら意外に楽しかったり,性に合っていたりします。腹を決めて成り行きに任せたときに,しばしばそういう結果が生まれます。(p161)
「固い決意」より「成り行き任せのほうが,あらゆる事態に対応できる(p169)
ベンチャーで成功した30代くらいの経営者なんて,5年後にはまたどん底の時代に入って消えているかもしれません。成功者というのは,逃げ切って財産と名声を手にした人間ならともかく,現時点での評価でしかないのですから,失敗者と背中合わせになります。(p177)
自分のスタートラインが見つからないと感じる人は,どこかで平凡な人生やふつうの人生を軽んじているのかもしれません。やりたいことを見つけて,そこをめざしてスタートすることが大事だと考えているのかもしれません。でも,目標や希望はスタートしてから見えてきます。(p178)
スタートラインが見つからない人は,自分を1人だと思っていることが多いのです。友人がいないとか家族がいないとか,そんなことではありません。自分のスタートラインを決めるのは自分だけだとか,自分の生きがいを他人には邪魔されたくないと思っている人が多いのです。これが視野の狭さです。(p189)
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