著者 樺沢紫苑
発行所 文響社
発行年月日 2016.12.20
価格(税別) 1,480円
● こういうタイトルに惹かれてつい読んでしまうという人,いるんでしょうなぁ。って,人のことは笑えない。自分がそうだもん。
ほどほどにしときなさいよ,自分。
● 要はこういうことが書いてある。以下にいくつか転載。
幸福は誰かからもらうものではなく、どこかから手に入れるものではない。われわれの脳の中に,幸福を発生させる物質が存在しているのです。脳内物質である「ドーパミン」が分泌されたとき,私たちは幸せを感じます。夢のない話でありますが,「ドーパミン分泌=幸せ」なのです。(p33)
きわめて壮大な夢を持っていたとしても,それだけではドーパミンは出ません。あまりに壮大すぎるからです。ドーパミンが出ないということは,モチベーションがなかなか続かないということです。(p59)
やる気が出ない。何もしたくない。モチベーションが上がらない。そういう人の多くは,運動不足に陥っている可能性があります。(p79)
「なに不自由ない生活をおくっていたのに」という言葉がありますが,脳科学的に言えば,「なに不自由ない生活」ではドーパミンが出ません。「満足した生活」を得てしまうと,それ以上の目標設定や目標達成ができなくなり,ドーパミンが分泌されなくなる。つまり幸福感が得られないのです。(p84)
財を成した大会社の社長が,次のように言っていました。 「若い頃は貧乏だったが,将来を夢見て必死に頑張っていた。毎日が充実していて,今考えると,その頃が一番幸せだった」 10年,20年という努力の先に,幸せがあるのではありません。その努力の階段を上がり続けている「今」が,実は一番幸せなのです。(p85)
締め切りに迫られて短時間でこなした仕事は,質が低くなるような気もするかもしれませんが,私の経験から言えばむしろ逆です。(p99)
商品というのは,ザックリ分けると2通りしかありません。「不快・不便を解消する商品」と「快を与える商品」です。(中略)このとき,どちらが強烈かといえば,ノルアドレナリン型モチベーションの方が強烈です。「快」は今すぐ手に入れなくても,日常生活に大きな支障はありませんが,「不快」は今すぐにでも取り除きたいからです。(p109)
「仕事大好き人間はうつ病にはならない」と思っているのかもしれませんが,ストレスに好きも嫌いもないのです。(p122)
休日を意識しない生活は,結果として身体を壊したり,うつ病になります。日本人の自殺率が先進国最大なのも,休息より仕事を重視する価値観が,当たり前になっているからだと私は考えます。(p158)
書いたものを声を出して読むと,自分が書いた文章でありながら,人が書いた文章のように聞こえてきます。客観的な判断ができるのです。(中略)原稿の音読は,脳を刺激し,気分転換し,さらなる執筆意欲をかき立ててくれる素晴らしい方法です。(p196)
あまりに客観的に見てしまうと,映画はつまらなくなります。それよりも登場人物,特に主人公に感情移入して見たいものです。共感がなければ感情移入はできません。「感情移入できた=共感できた」ということです。(p203)
パワフルに活動する人とそうでない人の一番の違いは,私は「睡眠」だと思います。(中略)私は,最も重要な仕事術を1つ選べと言われたら,「きちんと睡眠をとること」と答えます。(p224)
早起きに最も効果があるのは,早起きです。がんばって早起きをすることで体内時計がリセットされ,「早寝早起き」のサイクルが始まるのです。(p240)
メラトニンが睡眠や生体防御において重要な役割を発揮している基礎データはあるのですが,その効果がサプリメントで得られることを証明するデータは非常に乏しいようです。(中略)脳内物質に関する全てのサプリメントに言えることですが,外から摂取するのではなく,生体内で合成,分泌されるものが一番なのです。サプリメントとして摂取するよりも,メラトニンが出やすい生活,行動をすることが何倍も重要です。(p246)
この側坐核の神経細胞が活動すればやる気が出ます。ただし,側坐核の神経細胞は,ある程度の「刺激」がきたときだけ活動を始めます。ずっと待ち続けていたら,いつまでも刺激が得られないのです。頑張ってでも作業を始めると,そのことが側坐核への刺激となります。(p253)
午前中には「論理的作業」に重点をおき,午後からはアセチルコリンが活躍する「創造的作業」に重点を置いてみてください。これによって,あなたの仕事効率は飛躍的に向上するはずです。(p268)
ひらめきというのは,「ゼロから素晴らしいアイデアが生み出される」ことではありません。単なる脳内での情報連結です。材料は,すでに頭の中にあるのです。素晴らしい発想をするためには,たくさんの情報をインプットしておく必要があります。たくさんの本を読む。多くの情報を得る。いろいろな体験をする。数々の試行錯誤をする。それによって,ひらめきが得られるのです。(p272)
ひらめいたその瞬間に,書き留めることも重要です。ひらめきは神経細胞の発火(電気的活動)に過ぎません。(中略)脳の中の神経の発火は,瞬時に消失してしまいます。ひらめきは記憶には残らないと思ってください。(p273)
アルツハイマー病の予防に最も効果的な生活習慣は,「運動」です。(中略)歩行などの有酸素運動によって,脳内の「コリン作動性神経」が働き,大脳皮質や海馬でアセチルコリンの放出量が増加して,血流が増えます。さらに,脳内コリン作動性神経が活性化されるため,大脳皮質の毛細血管が拡張し,閉塞して脳血管の血流の低下が軽くなって神経細胞が虚血による死滅から保護されるのです(p279)
チクセントミハイは,フローに入りやすい人たちの例として,職人,料理人,流れ作業の職工などを挙げています。これらに共通する特徴は,仕事の段取りを完全に把握していることです。「次に何をやろうか?」「次に,すべきことは?」ということをいちいち考えない。(中略)実は,「次に何をやろう?」という疑問が,一番集中力を妨げるのです。(p315)
なぜ「感謝の心」を持てる人が成功するのか? その理由は,人に感謝するとエンドルフィンが分泌されるからです。人に感謝するときも,人から感謝されるときも,人間は幸福感を抱くのです。(中略)失敗に感謝する。「失敗から学べてよかった」と考えられる人は,成功へと大きく加速します。エンドルフィンを出すことができるからです。(p317)
あなたは,おそらくビジネスマンでしょうから,「仕事力をアップさせること」や「仕事の効率化」を実現して,バリバリ働きたいと思っているはずです。ですが,私は精神科医なので,そうした働き方を推奨しません。それよりも,あなたに病気にならないでいただきたい。(p327)● つまり,早起きして運動しなさい,何事にも感謝しなさい,ということ。本書の提言はこれに尽きる。
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