2017年10月29日日曜日

2017.10.29 吉野朔実 『吉野朔実劇場 お父さんは時代小説が大好き』

書名 吉野朔実劇場 お父さんは時代小説が大好き
著者 吉野朔実
発行所 本の雑誌社
発行年月日 1996.12.10
価格(税別) 1,165円

● 故吉野朔実さんのこのシリーズ,何冊か読んできたが,ひょっとするとこれで全部だろうか。いや,まだまだあるのか。

● 「この連載で私が書こうとしたのは,本に纏わる日常でした。書評なら,上手にやる人は他にプロがたくさんいるから,素人のままのスタンスで行こう,と」書いている。
 たぶん謙遜だろうけど,芸は身を助けるというのか,イラストというか漫画がこのシリーズの彩りですよね。

● 「子供の頃に読んでおけば良かった。そんなふうに思うことがある。そういう本がある」と言われると,たしかにと頷くしかない。
 そういう本ってけっこうあると思う。後で読み返すとまた違った感興を覚えると言われるけれど,子どものときの感興には及ばないことがある。

● ぼくの例でいうと,シュトルムの『みずうみ』。小学5年生(だったと思う)のときに小学館の学年雑誌に2回にわたって掲載された。いたく感動した。よし,これは大人になってから読み返してみようと思った。エリーザベットとラインハルト,登場人物の名前もバッチリ頭に入った。こういうのは忘れることがない。
 で,大学生になってから岩波文庫で読み返してみた。なんだ,これは,と思った。小学生のときに読んでおいてよかった。美しく誤解できる時期ってある。吉野さんが言っているのは,そういうことではないと思うんだけど。

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