2017年10月9日月曜日

2017.10.09 帯津良一 『まぁるく生きる』

書名 まぁるく生きる
著者 帯津良一
発行所 海竜社
発行年月日 2014.07.02
価格(税別) 1,300円

● 著者がそちこちに起稿したエッセイを集めたもの。ので,テーマが線に沿って展開していくというものではない。
 細かいことにこだわるな,歩け,早起きしろ。そういうことが元気な老後の秘訣なのだよ,と言っている。

● 以下にいくつか転載。
 自分の時間が欲しいなどと思わないのはこの忙しさのすべてが自分の時間だからなのだ。(p47)
 朝が好きだ。だから早起きの人が大好きだ。何の仕事であれプロフェッショナルは早起きである。良い仕事をするためにはかならず仕込みの時間が必要だからだ。(p48)
 足腰が衰えると,どうしても世間が狭くなって,頭脳の衰えにつながるのではないだろうか?(p69)
 卵管がんと闘いながら『がん患者学』なる力作を物にした柳原和子さんは,多くのがん患者さんたちに頼られて,交流を深めていた人だが,あるとき私に,永く生きている人の共通項は何だかわかりますかと問うたことがある。さあ? と口籠っていると,歩いている人ですよと言う。(p98)
 気功の三要は調身,調息,調心。調身は上虚下実すなわち肩の力が抜けて下半身に力が漲っている状態。調息とは息を整えることで調心とは雑念を払って一つ事に集中できる心を用意することである。反対に調息,調心。調身の三要素を備えていれば気功ということになる。(中略)いちばん手っ取り早いのは呼吸法ではないだろうか。(中略)吸うことと吐くことに少し気持ちを込めればいいのである。(p102)
 食とは大地のエネルギーが作物として結実したものを食物として体内に取り入れて,内なる生命場のエネルギーを高めることである。この場合,大地のエネルギーをふんだんに持ち合わせている作物とは,いま目の前でにょきにょきと生えて来たものであることは言うまでもない。そこで旬のもので地場のものが好いということになる。(p123)
 この世は修行である。修行には困難が付き物である。というよりは困難によってこそいのちのエネルギーは飛躍的に高まるのである。(中略)その困難の一つが病なのである。(p155)
 彼ががんになってよかったと話してくれたことがある。それは自分が宇宙人であることが確信できたことだという。広大な宇宙を構成するまぎれもない当事者であると。(p159)
 まずは日用品に愛着をおぼえない。(中略)人さまのものを借りてすませて平気の平左なのだ。(中略)大体がこれでなければいけないということがないのである。(p183)
 以前は早朝ということもあって観音像に向かうだけで声に出さずに心の中だけで読経をしていた。ところがある時,いまでも敬愛してやまない鎌田茂雄先生に一喝されたのである。腹の底から出る大声で唱えなければ駄目だと。たしかにその通りだ。すかっとした気分になる。(p190)
 生命の謎はあくまでも深く,宇宙の広大無辺さはとても手の内に入らない。だから人間,いくつになっても初々しさを失わないのが道理なのだ。(p201)
 主治医が生きているのが不思議なくらいだと言うほどの病状で,しかも感染性の病だというのに,彼らはものともせずにやって来るのだから,子規がいかに魅力的な男だったか想像がつくというものである。(p242)

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