著者 岡田光永
発行所 廣済堂出版
発行年月日 2005.05.20
価格(税別) 1,500円
● 『20歳の「日本一周」』が面白かったので,こちらも読んでみたいと思っていた。「元不登校児が歩いた四国八十八ヵ所」という副題が着いているが,著者の不登校は能動的なもので,引きこもっていたわけではない。
たぶん,文章には大人の手が入っている。15歳が書いたにしては大人受けしすぎるから。
● 以下にいくつか転載。
僕はひとりだと,どんどん弱っていく。1人より2人,2人より3人,誰かがそばにいないと生きていけない人間なんだ。このお遍路も,誰も話しかけてくれなくて,自分からも話しかけることができなかったら,2日ともたずに東京に帰っていたんじゃないだろうか。(p81)
きのう,健脚だなぁと思ったほっさんが,今日は自分のかなり後方にいる。15キロの荷物がないのは,ここまで大きいのだ。(p84)
自分を助けてくれた人の気持ちも一緒に連れて巡礼をする。(中略)僕はひとりじゃない。たとえひとりで歩いていても,そこには服部さんや皆の思いが一緒にいるのだ。(p92)
中だるみのことを教えてくれた老人によると,その解決法はただひとつ,「自分を甘やかすこと」だそうだ。(p142)
今こうして帳面を見ると,この2か月弱のお遍路で出会った人の数は,今まで生きてきた15年間で出会った人数をしのぐほどだった。それくらい素晴らしい出会いが,八十八ヵ所にはあった。(p209)
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